LEE・ブラウン、販売店を掲載した思い切ったチラシ。
今日、朝刊のチラシにまるで号外雑誌のようなチラシが入っていました。そのチラシは、ブラウンオーラルBと女性誌LEEとの共同チラシ。
表面に大きく「LEE」の文字があるので、一見すると雑誌の広告のように見えます。しかし、電動歯ブラシばかりを特集している内容を見ると、ブラウンオーラルBとを売りたい気持ちがひしひしと伝わります。
日経ビジネスなどの経済誌を見ると、まるで記事のような広告をよく目にします。ページの上端を見ると、”Advertisement”と書かれてあるので広告とわかるのですが、思わず読んでみたくなるタイトルを付けるなど、記事のように読み応えのある広告も多いように思えます。今回のこのチラシも、同じ手法。まるでLEEの号外のように見えます。
この広告の内容もさることながら、一番驚いたのが
販売店の固有名詞を掲載している
という点。医薬品や一部の加工食品など、小売店ではなくメーカーが発行するチラシは最近よく目にするのですが、そのほとんどは商品説明に終始しています。販売店についても、
全国のスーパー・コンビニ・ドラッグストアで販売中!
という表示がほとんど。販売しているお店の固有名詞(ブランド)を出しているチラシを、これまで見たことがありません。そんな中、このチラシは販売店をその固有名詞まで出して掲載していたのです。
これは、消費者にとって大変ありがたい。このチラシを見てから、購入までに至る消費者の行動は、
- チラシを見て興味を抱く
- 売っているお店を探す
- お店に行く
- お店で商品を見つける
- 商品を購入する
となります。一連の行動のように見えますが、1と2には大きなハードルがあるのです。そのハードルは、
- 興味を持った商品を覚えていなければならない
- 販売店をネットや電話帳などで調べなければならない
の二つ。
1のハードルは、このチラシを保管することで乗り越えられます。店頭にチラシを持ち込めば、間違った商品を買う危険性も回避できます。(電動歯ブラシなどのあまり頻繁に買うことがなく、さらに認知度の高いブランドがないカテゴリーの場合、店頭で迷うことが多い。)
2のハードルは、一番大きなものです。それは、調べるには時間とお金がかかり、そのうえ面倒だから。ネットで調べるにしても、販売店にスムーズに辿りつくことは難しく、もしかしたら競合品のページが目に入るかもしれません。競合品の方に興味を持ってしまっては、見込客を一人失うことになります。お客様相談室の電話番号がチラシに掲載されているので、こちらへ問い合わせることもできます。フリーダイヤルだから通信費はかからないのですが、見ず知らずのオペレーターに話をするのが億劫な人もいることでしょう。会社員の方なら、出社前か夜にしか電話できませんが、その時間にはお客様相談室は閉まっていることでしょう。このように販売店を問い合わせることは、大変面倒なことなのです。その結果、購買意欲が萎えてしまうかもしれません。
特に高い2番目のハードルに対して、このチラシは販売店の掲載という形で克服しています。しかも、イトーヨーカドー・ダイエー・サンドラッグなど、全国展開しているチェーン店を掲載しているので、この一覧表を見れば、近くにあるお店のうちどこで扱っているかがわかります。
このように、広告に販売店を掲載するということは、消費者・メーカー双方にとって望ましいことなのですが、実現するのは難しいようです。チラシを見ると、
本チラシ上には、掲載のご了承を頂いた小売チェーンを50音順で掲載しております
と記されています。つまり、販売店を掲載するには、販売している企業から掲載の許可を得る必要があるのです。特に、チェーン店の場合は、企業ブランドや競合店との関係などから、すんなり許可が出ないのかもしれません。さらに、チェーン店は大企業なので、許可が下りるまでに多数の了承印(管理職の捺印)を集めなくてはなりません。販売店、特に販売しているチェーン店の名前をチラシに掲載することは、大変骨の折れることなのです。
このような大変な交渉を行ったまで、販売店を掲載したのだから、販売店を掲載する効果を大いに期待していることと思います。(LEEとの共同広告を企画することを見ても、この商品には大きな期待をしているのでしょう。)この広告を打つことによって、どの程度の販売につながったのか、気になるところです。
☆今日のまとめ☆
ブラウンオーラルBとLEEとの共同チラシにて、ブラウンの販売店を掲載。
販売店を掲載することで、販売店を調べるというハードルを乗り越えることができる。
ただ、販売店掲載には、販売店の許可が必要で、交渉をしなければならない。
☆今日のこぼれ話☆
今回取り上げたチラシには、買ってもらうためのいろんな仕掛けがありました。
チラシ一つ取っても、大変勉強になりますねぇ。
目的意識を持つことの重要さが、しみじみわかります。
☆昨日の目標→その結果☆
◎朝6時に起きる→☓
◎毎日情報を発信する→☓
◎毎日仕事以外の人に話掛ける→☓
◎腕立て・腹筋30回→☓
◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→☓
◎部屋や家の掃除をする→☓