フリーペーパーfd、クーポンを付けないという挑戦
先日、三宮の街中で見つけたのが、こちらのフリーペーパー。fdという名前なので、food&diningの略かと思ったのですが、内容が食以外も含まれているので、そうではなさそうです。「ここから始まる神戸ライフ」というサブタイトルがあるので、神戸に引っ越してきた人がターゲットなのかもしれません。
このフリーペーパー・fdの特徴はなんといっても、フリーペーパーっぽくないところ。フリーペーパーっぽくないというのは、言い過ぎかもしれません。標準的なフリーペーパーでは、決してありません。それは、
クーポンがない
からです。
フリーペーパー=クーポン付き無料誌
という公式が成り立つほど、フリーペーパーにはクーポンが付きもの。特に、神戸ではクーポン付きのフリーペーパーが乱立しているので、クーポンが付いていないfdは、大変目立ちます。
クーポンが付いていないためか、広告色は薄く、どちらかというと本屋さんで売っているグルメ雑誌に近く見えます。表紙の色使いやフレーズも、「目立とう」という自己主張の激しさよりも、「こんないいのあるんだけど、どう?」という癒し系。クーポン誌に飽きたお金の余裕のある30代・40代をターゲットにしているのでしょうか。
ただ、クーポンを付けないということは、大きな挑戦です。というのは、クーポンの返り率で、広告主は広告効果を測るからです。クーポンが付いていないと、来店したお客様に「どちらでお店をお知りになりましたか?」と店員さんが聞かなければなりません。これにより、オペレーションに一手間加わり、コストアップにつながります。かと言って、何の特典もないのに「fd見ました」という消費者は、本当にまれだと思います。クーポン付きフリーペーパーがまだ主流でない頃に、フリーペーパーの広告営業をしたことがありますが、広告効果を測るすべのない広告を売るのは至難の技。fd誌面には特に目立って書かれてありませんが、何か大きな使命があってこのフリーペーパーは生まれたのかもしれません。そして、その使命に賛同してくれるお店が、広告を掲載しているのかもしれません。
一方、クーポンを付けない利点もあります。それは、
クーポンを発行しているお店は、それほど品質の高い料理やサービスを提供していないように見られる
からです。これはあくまで主観ですが、このような意見は友人からも聞いてことがあります。クーポン誌に広告を掲載するということは、集客費用にそれなりの金額を掛けているということ。その上、クーポンで割り引くと、お店が得られる利益が薄くなります。このしわ寄せが、食材に来ていると考える人もいるでしょう。また、クーポンを提示することを嫌がるお客さんもいます。なんとなくカッコ悪いというか。私も、20代の頃はそうでした。お店も、クーポンを笑顔で受け取るところは少なく、どちらかというと渋々受け取っているように思うことも多々ありました。そんな思いまでして、たかだか一人300円~500円割り引いてもらうことがあほらしくなり、結局違うお店に行くこともしばしば。クーポンを喜ぶ消費者だけではないのです。
このように考えると、クーポンを付けないfdにもそれなりのメリットがあります。
fdを見る読者は、クーポンを必要としない、またはクーポンが嫌いな消費者
→fd読者は、価格よりも品質(料理やサービス)を重視する消費者
→リピーターを作るには、クーポン誌よりもクーポンを付けないfdに掲載する方が得策
という論理で、広告主を探していることでしょう。ただ、それにしても広告効果をどのように計測しているのかは、疑問が沸くところです。
☆今日のまとめ☆
神戸のフリーペーパーfdには、クーポンが付いていない。
クーポンをつけるメリットは、価格を割り引くという消費者に対するメリットだけでなく、広告効果がわかるという広告主・媒体に対するメリットもある。
一方、クーポンを付いているお店を嫌う消費者も存在する。
このような消費者は、価格よりも料理やメニューなどの品質でお店を選ぶ傾向がある。
常連客作りには、クーポンが付いていないフリーペーパーの方が得策とも言える。
☆今日のこぼれ話☆
fdにクーポンは付いていませんが、fd限定価格を設定しているお店も一部あります。
しかし、それはほんの一部。
他のお店は、単に自慢のメニューの画像と説明を掲載しているのみ。(もちろん、お店の情報はあります。)
この挑戦は、レストラン業界にとってもプラス。
応援したいと思います。
☆昨日の目標→その結果☆
◎朝6時に起きる→☓
◎毎日情報を発信する→☓
◎毎日仕事以外の人に話掛ける→☓
◎腕立て・腹筋30回→◯
◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→◯
◎部屋や家の掃除をする→☓