【501号】中小小売企業、今年のクリスマス商戦はその戦略が影響する。
By [ henning ]
◎本日のニュース
1)見出し
Small Retailers Cross Their Fingers for Holiday Sales
【出典】
http://goo.gl/prKd3
2)要約
アメリカの中小小売企業にとって、今年のクリスマス商戦は、
かなり不透明感の強いものと予測されている。
大企業と違い中小企業にとって、
一年の最後6週間の売上は年間売上に大きな比率を占めるので、
クリスマス商戦の影響は大きい。
今年のクリスマス商戦での売上は、
昨年並または3%~4%の伸びが期待されている。
ただし、消費者の節約志向は依然強いので、
小売企業で値引き合戦が繰り広げられると推測される。
バイイングパワーや資金量、その他規模のメリットが
大企業よりも小さな中小企業にとって、
値引き販売を大企業ほど長期間継続できず、
苦戦が予想されている。
また、今年は例年以上に利益率の低下に、
神経質な中小小売企業が増えている。
一方、中小小売企業に対する調査では、
クリスマス商戦の売上金額が昨年よりも増えると期待する企業が一
利益率の低下を招く値引き販売以外の方法で集客することも、
可能であろう。その方法とは、
小売業にとって基本的作業の徹底や、
顧客が購入の際に抱く不安を取り除く工夫などである。◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
After years of heavy discounting to entice cautious consumers,
some small retailers say they worry another bad holiday sales season
could push their businesses over the edge.
4)キーとなる英文の和訳
節約志向を強めた消費者を集客するために、
何年も大幅な値引きを行なってきた。
一部の中小小売企業は、
自分たちのビジネスが切羽詰まったものになるだろうと心配してい
5)気になる単語・表現
entice 他動詞 ~誘惑する、誘う
edge 名詞 縁;刃
◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
ぱっと読んだところ、
それを危惧する中小小売企業の話のように思える。
例えば、ペンシルバニア州・
この企業は、リアル店舗とネット通販で、宝石類を販売している。
11月下旬から12月上旬までをクリスマス商戦時期として、
特別な割引を2年前から行なっている。
2年前は、全商品20%引きで販売。
また、75ドル以上買い上げた顧客には、プレゼントを進呈した。
さらに、ネットで購入した場合は、送料無料。
昨年は、同じ販促内容で、期間を10日間延長した。
しかし、昨年の売上は、二年前の売上に比べて25%下落。
だから、今年のクリスマス商戦がどうなるか、
オーナーによると、今年売上が上昇しないと、
1月までに店舗を閉鎖しなければならないという。
景気低迷による消費者の節約志向が、
同じことは大企業にも言える。しかし、
大企業にとって中小企業ほどには大きくない。その理由は、
第一に、クリスマス商戦の売上の年間売上に占める割合が、
中小企業ほど大きくないからである。
実際、一年の最後六週間の売上は、中小企業の場合、
年間売上の25~30%を占めるに対し、大企業の場合は20%
クリスマス商戦が少々こけても、
大企業にとってはそれほど大きなインパクトがない。
例えば、クリスマス商戦が期待できないなら、
それを見越して早目にセールを行うという手段があるだろう。
もう一つの理由は、大企業は、大きなバイイングパワー、
大きな資金量、
つまり、規模が大きく体力があるために、
大きな値引販売を長期間続けることができるのである。
一方で、中小小売企業には、そのような規模・体力がない。
だから、
さらに、2年前からの値引き販売が、
そのため、これ以上の値下げが、
これ以上値下げしても売上が増えるという保証がなく、
さらに利益率は確実に低下する。
よって、今年のクリスマス商戦に、
企業存続に大きな影響を与えかねないのである。
このように、中小小売企業にとって、
今年のクリスマス商戦は例年以上に苦しくなりそうだが、
調査結果を見るとそうでもない。
中小小売企業だけを対象にした10月実施の調査では、
以下のような結果が出ている。
1.「今年のクリスマス商戦は昨年よりも売上が減る」
全体の26%
2.「今年のクリスマス商戦は昨年と同じぐらいの売上になる」
全体の36%
3.「今年のクリスマス商戦は昨年よりも売上が増える」
全体の38%
つまり、調査に回答した中小小売企業の中では、
今年のクリスマス商戦の売上が増えると期待する企業が一番多いと
昨年並と合わせると、74%と過半数となる。
なぜこのような結果になったのか。記事には書かれていないが、
中小小売企業が採るべき方法は紹介されている。その方法とは、
1.商品が魅力的に映るように陳列する
2.店舗を清掃する
3.商品の良さがわかるように見本の設置・
4.より高品質な商品の品揃えを強化する
5.ブログに商品の使い勝手や良さを投稿する
6.宣伝費・賃料などコストを削減する
など。
1・2は、小売業にとっては基本的なことである。
店内で商品の良さをうまくプレゼンテーションすることによって、
来店客に欲しいと思わせることができる。
お店を綺麗にすることで、また来たいと思わせることができる。
3・5は、消費者が購入の際に抱く「失敗したらどうしよう」
排除するための方法である。見本があって、
実際に手に触って動かすことができれば、
商品の良さは自分で確認できる。また、
心配の数が少なくなるだろう。(もちろん、
4は、大規模小売店との差別化である。
大企業は、その規模の大きさを活かして、
わかりやすい商品・有名な商品を値引き販売する。
低価格志向の消費者は、
しかし、価格を重視する消費者ばかりではない。
クリスマスプレゼントだから、贈る相手が好みそうな商品ならば
少々価格が高くてもいいと考える消費者も、ある程度いるだろう。
その消費者にとっては、
高品質な品揃えを増やすことによって、
ターゲットを、品質重視の消費者に絞ることになる。
6は、1~5を行うのに関係ないコストを削減することである。
売上にあまり影響しないコストを削減することで、
集客や接客・サービスにお金を掛けることでき、売上につながる。
今年のクリスマス商戦も、消費者の低価格志向・
値引きで集客する大企業に値引きで対抗するならば、
中小小売企業に勝ち目はない。しかし、小売業の基本を徹底し、
接客・サービスでより買いやすい売り場にし、
売上にそれほど影響しないコストを削減すれば、
中小小売企業もこの荒波を乗り越えられるだろう。
大手の真似をするのではなく、差別化をすることが重要である。
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《今回のヒントのまとめ》
1)今年のクリスマス商戦は、依然消費者の節約志向・
値引き合戦が起こると思われる。
2)規模のメリットを活かせる大企業ならば、
大幅値引きで売上を伸ばすことが可能であろうが、
体力のない中小小売企業にとっては、
値下げで大企業と対抗することは得策とは言えない。
最悪の場合、事業継続に影響を及ぼす。
3)そこで、小売業の基本を徹底し、
購入の際のハードルを引き下げるために接客・サービスを強化し、
高品質な商品を強化し、コスト削減に努めれば、
中小小売企業にもチャンスはある。キーワードは、
大手との差別化だろう。
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7)おすすめ商品・サービス
◎Winecarte 簡単ワインの選び方
一番新しい記事は、
グリーンポイント レゼルヴ ピノ・ノワール2008
(Green Point Reserve Pinot Noir 2008)
http://goo.gl/N8qJT
です。
最近、ワインを勉強しています。
それをアウトプットする意味でも、
ワインのサイトを始めました。
焦らず少しずつ作成する予定です。
http://wine.ryotarotakao.com/
編集後記
口内炎に悩まされています。
いろいろ調べてみると、
あまりストレスがないと思っていたのですが、
無意識のうちにストレスを感じているのかもしれません。
涼しくなったので、夏よりも水分量が減っているのは事実。
だから、水分不足は当たっていると思います。
唇にできているのですが、
暑いもの・刺激のあるものが食べられないのは本当につらい。
今晩からはケナログを塗ってから眠ろうと思います。
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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
感謝・感謝・感謝です!