2011年出荷量が過去最低になった大手各社のビール類と成長し続ける地ビールの違いとは?

第3のビール

 

昨日、ビール大手各社から2011年のビール類のデータが発表されました。

ビール大手各社が17日発表した2011年のビール類(ビール、発泡酒、第3のビール)の出荷量(課税ベース)は、前年比3.7%減の4億4238万ケー ス(1ケース=大瓶20本換算)と、7年連続で過去最低を更新した。東日本大震災の影響が大きく、下げ幅は1992年の統計開始以来、2番目の大きさだっ た。

酒類別の内訳では、ビールが4.1%減と15年連続マイナスとなり、全体に占める構成比が49.96%と、初めて50%を割り込んだ。一方「第3のビー ル」は1.8%増と8年連続で増加し、構成比が過去最高の34.7%となった。発泡酒は12.9%減と大幅に減少し、9年連続のマイナスだった。(ヤフニュースより)

 

ビール類市場全体はマイナストレンドから抜け出せないようです。特に問題なのは、

第3のビールの成長率が鈍化した

ということ。第3のビールは、消費者の低価格志向から、これまで急成長を遂げました。しかし、

第三のビールの伸びは09年の同21.4%増から、10年は8.7%増になり、11年は一段と縮小した。(日経新聞より)

とのことで、その成長に急ブレーキが掛かっている模様。ビール大手各社にとっては、これは由々しきことでしょう。その要因として、海外勢による価格競争があります。

大手小売業が韓国などから輸入する格安商品に市場を奪われている面も大きく今後、メーカーにとっては価格競争と一線を画す商品戦略も重要となる。(日経新聞より)

つまり、低価格が魅力で市場を伸ばした第3のビールが、輸入品との価格競争に巻き込まれて、苦戦しているのです。

 

ビール大手は、価格によりビール類の市場拡大を目指しました。そのために開発したのが、発泡酒であり第3のビールです。しかし、低価格をウリにした商品だけあって、

発泡酒は、第3のビールとの価格競争に巻き込まれる。

第3のビールは、第3のビールの輸入品との価格競争に巻き込まる。

という問題に直面。価格をその特徴に開発した商品だけあって、価格競争に巻き込まれるのはある意味想定内のことかもしれません。

 

一方、地ビール市場は成長を続けているようです。

2011年1月~8月の出荷量を前年同期と比較が可能な56社でみると4,998キロリットルで、2010年同期の4,571キロリットルから9.2%増加した。(東京商工リサーチより)

 

2011年が伸びているのではなく、2004年から成長トレンドをたどっています。(日本地ビール協会より。データの関係上、成長がわかっているのは2008年まで。)地ビールの特徴は、その味わい。品質です。決して価格ではありません。品質で各社競争し、品質を基準にしたコンテストでの受賞を目指し、切磋琢磨しています。その結果、品質が向上し、ビール独特の味わいを愛するユーザーニーズに答えることになります。

 

これらを比較すると、

第3のビール:価格で差別化→価格競争に巻き込まれる

地ビール:品質で差別化→ユーザー品質競争によりユーザーニーズに答える

ということになります。また、市場から見ると、

第3のビール:レッドオーシャン

地ビール:ブルーアイランド

という違いになります。

 

2012年は、

市場全体の低迷が続く中、各社は今年、定番商品を強化するほか、震災を踏まえて、家族などの「絆を実感してもらえる付加価値を提案する」(アサヒの小路明善社長)戦略で市場活性化を狙う。(ヤフーニュースより)

という戦略をビール大手は取るようです。本命のビールにより品質競争が起きれば、市場縮小に歯止めがかかるかもしれません。

 

☆今日のまとめ☆

ビール大手各社のビール類出荷量が過去最低に落ち込んだのは、価格を特徴とする第3のビールに力を注ぎ過ぎたから。

一方、品質競争を行う地ビール市場は成長している。

市場から見ると、第3のビールはレッドオーシャン、地ビールはブルーアイランドと言えるだろう。

 

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☆ 今日のこぼれ話☆

昨晩、神戸三宮の東遊園地に行きました。

毎年震災の日に行われる竹筒の火を見いいくためです。

思わず、涙が流れました。

 

☆昨日の目標→その結果☆

◎朝6時に起きる→☓

◎毎日情報を発信する→☓

◎毎日仕事以外の人に話掛ける→◯

◎腕立て・腹筋30回→◯

◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→◯

◎部屋や家の掃除をする→☓

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