マクドナルドが宅配サービスでライバル視する企業とは?

セブンイレブンBy José Ramón de Lothlórien

先日のマックデリバリーの記事に続き、食品宅配サービスについて。マクドナルドの宅配サービス・マックデリバリーの競合は、ファストフードのマクドナルドの競合とは異なります。ちなみに、ファストフードレストランとしてのマクドナルドの競合は、

  1. ハンバーガーを提供するレストラン(ロッテリア、ウェンディーズ、モスバーガーなど)
  2. 食事を早く済ませることのできるファストフードレストラン(牛丼の松屋、立ち食いそばの富士そばなど)
  3. メニューをお持ち帰りできる中食販売店(コンビニのお弁当、デパ地下の惣菜など)

となります。

しかし、宅配サービスでは当然その競合は変わってきます。ただ単に、

マックデリバリーの競合は、食事のデリバリーサービス

というわけではありません。もちろん、消費者は、宅配で料理を注文する時、

ピザーラにしようかマクドナルドにしようか?

と迷うことになりますので、デリバリーサービスも当然競合になります。ただし、食品宅配市場が成長する今後は、デリバリーサービスだけが競合になるわけではありません。

宅配サービスとは、

食品やメニュー・食事を自宅まで届けるサービス

と定義出来るかと思います。つまり、

宅配サービス=食品・メニュー+宅配システム

に分解できます。食品・メニューは、宅配サービス参入前から各社持っていることでしょう。ならば、宅配サービスで差がつくのは、

宅配システム

ということになります。

宅配システムに求められるのは、

  1. 利用者の利便性
  2. 低コスト運用

という二律背反的な課題を解決すること。さらに、宅配システムには、

規模の経済が成立する

という特徴があります。つまり、規模が大きくなると、限界費用がかなり小さくなるという性質です。となると、

規模の大きな企業の方が、二律背反的な課題を解決でき、優位な宅配システムを確立できる。

ということになります。ヤマト・佐川・郵便局でほぼ寡占された宅配サービスを見ると、この理屈がわかるかと思います。

全国に店舗をチェーン展開するマクドナルドは、規模の経済を活かして宅配サービスでも優位に立とうとしているのは、今回の日経記事でも容易に理解できます。ならば、マクドナルドが宅配サービスでライバル視する企業も、規模の経済を活かして食品や食事の宅配サービスを行おうとしている企業です。

届けるモノという観点から見れば、マクドナルドが届けるハンバーガーやポテトなどの食事は、

  1. コンビニのおにぎりやお弁当、惣菜
  2. デパ地下の惣菜
  3. スーパーの惣菜や加工食品

と競合することになります。今、これらのモノで宅配サービスを本格的に行なっているのは、3のスーパーぐらい。ネットスーパーというサービスです。コンビニでは、ローソンとらでぃっしゅぼーやが野菜や乳製品・日配品を宅配していますが、すぐに食べられる惣菜などの宅配はまだしていません。デパ地下では、三越伊勢丹ぐらい。阪急も行なっていますが、こちらはデパ地下というよりもスーパー色の強いサービスとなっています。(ワールドビジネスサテライトでデパ地下宅配が以前紹介されました。)

このように、今のところ本格的にすぐに食べられる食の宅配を本格的に行なっているのは、スーパーだけ。しかし、食品宅配市場の成長が見込めるとなると、コンビニ・デパ地下も今後参入してくるかと思います。ここで思い出してもらいたいのが、

宅配システムには規模の経済が働く

という点。儲かる宅配サービスを行うには、できるだけ規模を大きくした方がいいのです。となると、もしコンビニ・デパ地下・スーパーが同じ宅配システムを使えるならば、最強になるわけです。これが出来る企業とは、コンビニ・デパート・スーパーを持つ企業。それはずばり、

セブン&アイ

です。セブン&アイならば、ネットスーパーで培った宅配システムをコンビニやデパ地下の宅配に活用でき、宅配システムという点では大きなアドバンテージがあります。そしてさらに、

セブン&アイには、レストラン事業がある

とういことを考えると、ネットスーパーの宅配システムを、レストランメニューの宅配にも利用できます。食の宅配サービスという観点から考えると、セブン&アイがかなり有利になります。

事実、日本経済新聞には、

 日本マクドナルドの原田泳幸社長は日ごろから同業以上にセブンイレブンを「最大の敵」に位置付ける。

とありました。食の宅配サービスでは、セブンイレブンだけでなく、セブン&アイ全体が「最大の敵」になることでしょう。

☆今日のまとめ☆

食の宅配サービスでは、利用者の利便性を高めつつ低コストで運営できる宅配システムが成否を割ける。

その宅配システムには規模の経済が働く。

そう考えると、ネットスーパーで宅配システムを確立し、その宅配システムを傘下のコンビニ・デパ地下、そしてレストランにまで活用できるセブン&アイは、食の宅配サービスにおいて大きなアドバンテージがある。

よって、マクドナルドの宅配サービスでライバルになるのは、セブン&アイだろう。

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☆ 今日のこぼれ話☆

近くのグルメシティの朝市で特売されていたバナナが、お昼ぐらいには売り切れ。

恐らく、朝市の商品で唯一売り切れた商品かと思います。

仕入れが少なかったのか、それとも価格の低いバナナに人気があったのか。

食への節約志向が、強まっているように感じます。

☆昨日の目標→その結果☆

◎朝6時に起きる→☓

◎毎日情報を発信する→◯

◎毎日仕事以外の人に話掛ける→☓

◎腕立て・腹筋30回→◯

◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→☓

◎部屋や家の掃除をする→☓

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