未婚者の安心ニーズから考えた、実店舗の持つ強みとは?

 

 

4月17日の日経新聞に、未婚者に関する記事が掲載されていました。

 

20~40代の未婚者は単身生活をすることについて、「孤独死」や「犯罪被害」に不安を感じ、安心・安全のためのサービスへの関心が強いことが日経産業地域研究所の調査でわかった。

 

詳しくは日経消費ウォッチャー4月号に掲載されているようですが、アンケート結果は以下の通り。

 

【単身生活で怖いと思うこと】

◯調査対象:単身者・将来単身希望(予定)者の男女583人

◯調査方法:インターネット

◯病気やけがで突然自宅で倒れても誰も気づかれない→66%

◯空き巣や強盗の被害→男性25%、女性48%

 

その結果、次のようなサービスへの利用に前向きのようです。

◯緊急時の連絡サービス→27%

◯家の防犯サービス→男性17%、女性34%

 

孤独死や犯罪被害への不安は、今に始まったことではありません。マスコミが報じるから、その危険性がより認識されるようになったとは思いますが、以前から同様の事故・事件は起こっていたと思います。ただ、その不安が高まったのは事実。その要因は、

 

  1. 家族やご近所さんとの人間関係が希薄になったから
  2. 犯罪が凶悪化したから

 

であることは、容易に想像が付きます。2の解決策は、すでにセコムやALSOKなどが、防犯サービスとして提供しています。また、最近家電量販店で気づいたことですが、パナソソニックが、防犯家電を販売しています。セコムなどの会員制サービスではないので、機器を購入すれば追加出費がかからない、とても経済的なサービス。また、ソフトバンクも、「みまもりサービス」として同様のサービスを提供しています。通信機器と3Gネットワーク・GPSなどを使えば、ある程度の犯罪抑止力は期待できるのではないでしょうか。

 

1に関しては、人間が持つ社交へニーズがその根本になるのかと思います。FacebookなどSNS人気は、そのニーズを表す最たるもの。街コンも同様です。今後

 

  1. 単身者が増える→家族との関係がより薄くなる
  2. 転職機会が増える→会社との関係がより薄くなる

 

ことが容易に想像できます。ならば、家族や会社以外での社交が求められるのは必至ではないでしょうか。

 

もちろん、SNSを使えば、家族や会社以外での社交を無料で行うことができます。しかしそれは、所詮バーチャルなもの。自宅でぶっ倒れたなどの緊急事態に頼りになるものではありません。社交が一番力を発揮するのは、精神的よりも肉体的苦境に陥った際であることを考えると、ネットだけでなくリアルでの社交がより求められます。そこで考えられるのが、

 

同じ趣味・趣向を持ったサークルやクラブ

 

ではないでしょうか。サークルやクラブと言えば学生の専売特許のような感じがしますが、今後社会人の間でもその価値が見直されてくるように思えます。たまにリアルで交流しつつ、日々はネットを使って情報交換をする。「何を今更?」と言われるかもしれないですが、未婚者の安心ニーズを考えると、今後このようなサークル・クラブが人気が出てもおかしくありません。

 

さらに、私が考えるのは、

 

実店舗による顧客のサークル化

 

です。一般的に実店舗はショールーム化によって、苦境に立たされています。つまり、価格がより低いネット通販に負けています。一方で、実店舗の強みは、

 

リアルであること

 

にほかなりません。リアルが故に、

 

◯これまで来にしなかった商品が目に飛び込んできて、巡り合える。

◯店員さんとの直のコミュニケーションが楽しめる

 

というメリットを提供できます。これに加えて、

 

店舗がハブとなるリアルのサークルに参加できる

 

という特徴があれば、ネット通販が持ち得ないリアルの人間関係・社交というサービスを提供することができます。リアルの人間関係は、苦しい時に力を発揮してくれるので、ネット通販にはない大きな競争力になりえます。

 

お店側にとっては、売上増という大きなメリットがあります。顧客をサークルとしてまとめることができれば、サークル内でそのお店のことが話題になることが多くなり、顧客がお店のことを忘れる可能性が低くなるからです。日々の生活で、お店のことが頭の中に浮かぶようになれば、お店への愛着が沸き、その結果来店・購入頻度が高まります。

 

となると、顧客のサークル化を促すための、

 

イベント

 

が今後実店舗で増えるのではないでしょうか。逆に、これまである意味高額な受講料を取っていたカルチャーセンターなどは、苦戦するかもしれません。

 

☆  今日のまとめ☆

未婚者の安心ニーズが強くなったのは、家族やご近所さんとの人間関係が希薄になったから、犯罪が凶悪化したからである。

後者については、家電や通信サービスにより、より安価な防犯サービスが提供されると予測される。

一方、前者については、リアルでの人間関係・社交へのニーズがより高まるだろう。

実店舗を持つ小売店がこのニーズを活用すれば、お店側にとって売上増が期待できる。

顧客のサークル化を促すイベントが、今後実店舗で増えるように思われる。

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☆  今日のこぼれ話☆

久しぶりに阪急オアシス御影店に行ったところ、大きく改装されていました。

お酒売場が増床されていたのが、一番の印象です。

お酒は嗜好品であり、比較的単価が高いので、うまく売ることが出来れば、お店にとって大きな利益をもたらします。

日配品などの日常品を安く売って来店を促し、単価の高い嗜好品で利益を稼ぐ。

オーソドックスな戦略なのかもしれません。

☆昨日の目標→その結果☆

◎朝6時に起きる→☓

◎毎日情報を発信する→◯

◎毎日仕事以外の人に話掛ける→☓

◎腕立て・腹筋30回→☓

◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→◯

◎部屋や家の掃除をする→☓

◎営業日誌を付ける→☓

 

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