丸善CHI・サンルート、新しいFC(フランチャイズ)の形とは?
By 007 Tanuki
昨日の日経朝刊に、とても興味深い記事がありました。
書籍チェーン大手の丸善CHIホールディングスは地方企業や百貨店の書店運営を支援する。仕入れを代行するほか、POS(販売時点情報管理)レジを提供す るなど運営ノウハウを供与。2015年1月期をめどに大型書店10店を支援する。出版不況で利益率の低い書店経営は厳しさを増している。丸善CHIは地方 店の運営支援で出店による拡大戦略を補完する。(日経新聞電子版より)
丸善CHIと言えば、大規模書店をチェーン展開しています。そして、チェーン展開を通じて、POSなどのシステムや運営マニュアルを確立してきました。これは、丸善CHIの強み。この強みを、外部の書店に提供するようです。
これはFCの仕組みととても似ています。FCとは、以下のような仕組みです。
一方が自己の商号・商標などを使用する権利、自己の開発した商品(サービスを含む)を提供する権利、営業上のノウハウなど(これらを総称してフランチャイズパッケージと呼ぶ)を提供し、これにより自己と同一のイメージ(ブランド)で営業を行わせ、他方が、これに対して対価(ロイヤルティー)を支払う約束によって成り立つ事業契約である。(ウィキペディアより)
簡単に言えば、
◯商品
◯運営の仕組み
◯商号
を、外部企業に提供することになります。丸善CHIの場合、
◯商品(品揃え)
◯運営の仕組み(POSシステム、人材育成方法など)
を提供します。ただ、一部の店舗へは
◯商号(ジュンク堂書店)
も提供する模様。ほぼFCと同じ仕組です。
同じような内容の記事を、日経MJでも見つけました。
全国で約70のビジネスホテルを運営するサンルート(東京・豊島、五十嵐静夫社長)は他社のホテルの営業支援を始める。自社の公式サイト「サンルートWEB」に支援先のホテル名や場所を掲載。約43万人に及ぶ会員組織から予約を受け付け、集客を後押しする。(日経MJより)
サンルートのこの事例は、丸善CHIよりもその支援内容が大きく限定されます。運営の仕組みの中でも、
販売方法
のみを提供することになります。商品(部屋やサービス)や商号には一切かかわらないので、FCの仕組みとは大きく異なります。
サンルートの事例では、
◯販売手法(販売サイト)
◯会員組織
というサンルートの強みを活かしたことになります。
このように、丸善CHIとサンルートの事例は、FCとの類似点において大きな違いがありますが、共通点が存在します。それは、
強みであるビジネスモデルを販売する
という点。小売店と言えば、
◯(一部の企業のみ)モノを開発する
◯モノを販売する
によって、収益を上げる企業。ただ、そのビジネスモデルが成功すれば、その強みとも言えるビジネスモデルを販売することで、新たな収益源を確保することができます。この収益は、主に販売手数料によるもので、店舗開発や従業員の増員など大きな投資を伴いません。今後、このFCに似た収益を得る小売企業が増えてくるかもしれません。
☆ 今日のまとめ☆
書店大手の丸善CHIは、商品・運営の仕組みを提供することで、地方書店を支援するという。
同じように、ビジネスホテル大手のサンルートは、自社サイトに外部ホテルを掲載することを通じて、集客を支援するという。
これら事例に共通するのは、ビジネスモデルの強みを販売することで、新たな収益源を確保できるということ。
大きな投資を必要としないので、この収益手法を採用する小売企業が増えるかもしれない。
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☆ 今日のこぼれ話☆
ビジネスモデルもそうですが、一番大きな強みはその顧客。
マクドナルドやユニクロが、クーポンを乱発してでも、携帯会員を増やそうとしているのは、会員組織が大きな強みであることを物語っています。
それにしても、会員価格の割引率を見れば、会員にならないと損した気分になります。
☆昨日の目標→その結果☆
◎朝6時に起きる→◯
◎毎日情報を発信する→◯
◎毎日仕事以外の人に話掛ける→☓
◎腕立て・腹筋30回→◯
◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→◯
◎部屋や家の掃除をする→☓
◎営業日誌を付ける→☓