酒倶楽部いちの・アスク、その対照的なお米の通信販売とは?(提案付き)
先日、夕刊を取りに郵便受けを開けたところ、次のようなポスティングチラシが入っていました。
酒倶楽部いちの→お米の通信販売・宅配
アスク→マンションフロントで申し込めるお米・水などの通信販売
両社の共通点は、
お米の通信販売
という点。通信販売と言えば、今ではネットが主流です。カタログ通販もありますが、どんどんその中心はネットに移行しています。カタログは、あくまで通販との出会いをつくるきっかけの役割をしているように感じます。
このネット主流の中で、酒倶楽部いちのとアスクは、チラシでのお米の通販に力を入れています。もちろん、両社の違いもあります。
酒倶楽部いちの→電話で注文、手書きチラシにより親しみやすさを強調、分搗きをアピール
アスク→マンションフロントで注文、お米の種類・水の安さを強調
酒倶楽部いちのについては、手書きチラシのインパクトはかなり大きいです。思わず、見てしまう効果があります。さらに、店主の手書きイラストは、その大きさゆえにかなり目立つのではないでしょうか。手書きによる親近感があります。分搗きとは、「玄米から白米に精米する途中の状態」という意味らしいです。七分搗き・五分搗き・三分搗きがあり、分数が大きくなるにつれて白米に近づき、逆に言えば分数が小さくなれば、玄米度合いが大きくなり、食物繊維が多くなり、体にいいのでしょう。そう、健康に訴える内容なのです。だから、ターゲットは、健康を気にしだした40代以上でしょうか。
一方、アスクは、マンション公認という信頼を強調しているように感じました。ちなみに、マンションフロントで注文できるお米は、アスクだけだと思います。お米の種類も10種類と多く、ミネラルウォーターは低価格をアピールしています。「重たいものは、身近で便利なフロントで!」という文句の通り、利便性も強調しています。ネットでの注文は受けてつけておらず、フロントだけのようなので、ターゲットは高齢者の非ネットユーザーでしょうか。
※執筆後にわかったことですが、株式会社アスクはマンションのフロントサービスを行なっています。
両社の競合を考えみました。
酒倶楽部いちの→お米専門店、お米をその場で精米してくれる酒店
アスク→楽天に出店するネット通販
お米専門店はほとんど姿を消し、リカーショップ・昔ながらの酒屋も、スーパー・ショッピングセンターと比べるとあまり見かけません。よって、酒倶楽部いちのは、競合があまりいない、とても旨みのある市場を見つけたとも言えます。小さな市場ですが、米や酒の単独店が狙うならば、問題はないかと思います。
一方、アスクの競合は、かなり強力です。利便性・安さで競争するならば、24時間注文可能・詳しい情報などの点で、ネット通販に劣ります。マンション公認という信頼がありますが、楽天で多くの高評価をもらっている商品よりも信頼がおけるかと言えば、疑問。よって、ネットを使わない・使えない非ネットユーザーをターゲットにするしかありません。
このような競争優位に違いが生まれるのは、
どこで差別化をするか
ネット通販とどう差別化するか
に違いがあるからです。酒倶楽部いちのは、分搗きという専門性・親しみやすさで差別化することにより、ネット通販では提供しにくい価値を売ることができます。一方、利便性・安さで差別化するアスクは、ネット通販と同じ土俵に立つことになります。とことん価格を下げるか、他では手に入らない商品を提供しない限り、ネット通販には勝ち目はありません。
先日のWBS(ワールドビジネスサテライト)でも、ネット通販が実店舗に及ぼす影響を取り上げていました。ネット通販でも扱いのある商品を実店舗が販売する場合、ネット通販との価格競争が避けられないようです。特に、家電量販店は、この価格競争をもろに受けています。大企業ならば、価格競争に打って出るのもいいですが、中小企業にはその方法は得策ではありません。
ネット通販が提供しにくい価値を提供する
ことが、オーソドックスな方法になります。
最後に、せっかくいろいろ分析したので、私ならどうするかについてを示したいと思います。
まず、酒倶楽部いちのについて。分搗きという専門性をアピールしているのですが、一回のチラシではなかなかその良さをわかってもらうのは難しいかと思います。定期的にポスティングチラシかメルマガで、分搗きの良さ・体への影響を伝えれば、さらに興味をもってもらえ、受注に結びつくかと思います。また、「御影いちの」という検索ワードをチラシに掲載しているのですが、肝心のサイトには分搗きの説明は見当たりませんでした。(どちらかというとお酒中心のサイト)分搗きという専門性をアピールするサイトを別に作るか、トップページに分搗きページへのリンクが貼られた大きなバナーを設置したらいいかと思います。また、チラシに住所の掲載がないのも、無店舗販売かと思われる恐れがあります。せっかく店舗があるならば、住所も掲載すべきかと思います。住所があるだけで、信頼度は大きく上がります。
アスクは、マンションという括りで販売するならば、試食販売会をいます。どんな味かわからない食べ物には、なかなか手が出しづらいものだからです。コストがかかりますが、一度信用が得られると、大きな強みになります。また、お米・水・ジャムがチラシに掲載されていますが、もう少し商品数・カテゴリーを絞ってもいいかと思います。もちろん、ネット通販との直接の競合を避けるために、品揃え・価格ではなく専門性・珍しさで勝負することは、言うまでもありませんが。
☆ 今日のまとめ☆
通信販売だけでなく実店舗販売でも、ネット通販との競争を避けられない。
価格・品揃えで差別化すると、ネット通販と同じ土俵に乗ることになり、価格競争に巻き込まれやすくなる。
ネット通販が提供できない価値で差別化する必要があるだろう。
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☆ 今日のこぼれ話☆
ちなみに、私がお米を購入するのは、コストコです。
昨年初めてコストコで買ったのですが、価格の割にかなり美味しいので、品切れがない限り変えることはないかと思います。
重いのは大変ですが、エクササイズと思えば、なんともありません。
ちなみに、コストコで買っているのは、無洗米のあきたこまち。
☆昨日の目標→その結果☆
◎朝6時に起きる→◯
◎毎日情報を発信する→◯
◎毎日仕事以外の人に話掛ける→◯
◎腕立て・腹筋30回→◯
◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→◯
◎部屋や家の掃除をする→☓
◎営業日誌を付ける→☓