100均ショップのキャンドゥが期間限定の特売を行う理由とは?
先日、六甲アイランドのキャンドゥで買い物をしたところ、レジでチラシを見つけました。そのチラシの内容は、生活応援祭という特売。100均ショップでも特売を行うのです。
ただ、100均ショップだけあって、値段を下げるのではなく、容量を増やすという手法を採用しています。ただ、その内容がかなり過激。チラシ内容の一部は、次のようになります。
【キャンドゥの生活応援祭(一部抜粋)】
アルコールウェットティッシュ:2.25倍お得な90枚入り→約55.6%引き
フードパック:16枚お得な26枚入り→約61.5%引き
プラカップ:2倍お得な50個入り→約50%引き
アルカリ乾電池単4:4本お得な10本入り→約40%引き
ぞうきん:2枚お得な5枚入り→約40%引き
半額セールと言っても過言ではありません。スーパーでも、半額セールは稀。しかも、100均ショップは、特売をしない代わりに常時100円(税抜き)で売る、EDLP業態ということを考えると、キャンドゥの生活応援祭は、赤字覚悟の太っ腹な特売なのです。
では、なぜキャンドゥは、100均ショップなのに、特売をしなければならなかったのでしょうか。それは、既存店売上を見れば、容易に理解できます。
【上場100均ショップ3社の既存店売上高】
[キャンドゥ]2012年12月より4ヶ月連続前年割れ
[セリア]2012年12月より4ヵ月連続前年比増
[ワッツ]2012年12月より4ヶ月連続前年割れ
キャンドゥの月次実績が、サイト上で2012年12月からしか掲載されていないので、2012年12月~2013年3月の実績で比較しました。3社のうちで、セリアの一人勝ちなのがわかるかと思います。ワッツとキャンドゥを比べると、ワッツの既存店売上高は、2012年12月より96.3%~99.9%の範囲内に留まり、2013年3月は99.9%と辛うじて前年に届きませんでした。一方、同期間のキャンドゥの既存店売上高は、94.8%~97.7%であり、ワッツよりも低いことがわかるかと思います。上場3社の既存店実績を不等号で表すと
セリア>>>ワッツ>キャンドゥ
になります。100ショップ業界の中で苦戦しているからこそ、キャンドゥは特売を打つ必要があり、特売によって売上回復を目指しているのです。
では、上記のような差はどうして生まれるのでしょうか。恐らく、
セリアが安さ+おしゃれさ・可愛さで差別化しているから
なのでしょう。これは、実際に店舗を利用した上での感想です。一方、ワッツとキャンドゥは、安さしか感じません。セリアの「おしゃれさ・可愛さ」という付加価値が、既存店売上の差に繋がっているものと思います。
この比較でわかることは、
たとえ値段が安くても単に並べただけでは売れない
ということに他なりません。セリアのように、おしゃれさ・可愛さという感性に訴えかける商品・売場でないと、100円の商品でも売れないのです。そう考えると、キャンドゥの特売が、既存店売上の回復につながるかは、かなり疑問です。
☆今日のまとめ☆
100均のキャンドゥが特売を実施するのは、既存店が苦戦しているからに他ならない。
一方で、安さに加えておしゃれさ・可愛さを売るセリアは、既存店売上は前年比でプラスを確保している。
この差からわかるのは、たとえ値段が安くても単に並べただけでは売れない、ということではないか。
ならば、お得さを売りにするキャンドゥの特売は、既存店売上の回復にはつながらないだろう。
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☆ 今日のこぼれ話☆
100均でよく買うものは、単四電池。
大体の相場は、4本入りで100円です。
この相場から考えると、キャンドゥはかなり安い。
ただ、このチラシ、レジに置いているだけでは、誰も気付きません。
折込まれるのでしょうか。
☆ 最近買った商品☆
先日、お伝えしたアサヒのふんわり、飲みましたよ。
ぱっと見は、ビールに見えないデザインで、どちらかというと缶酎ハイに近いです。
そして、飲んだ感想は、炭酸のスカッとした感じは味わえるもののあまり味がない、というもの。
若者の中で、炭酸が人気なのでしょうか。
売れるかどうかは、かなり?です。
個人的には、今年の第三のビールの新商品の中では、サントリーのグランドライ(GRAN DRY)が一番です。
甲子園で飲むとうまいと思いますよ。(もちろん、タイガース打線が爆発するという条件が付きますが。)
ちなみに、楽天市場での新ジャンル・感想多い順では、いずれも1ページ目でランキングしていません。