高級PB商品から学ぶ、高くても売れる商品の特徴

 セブン-イレブンのおにぎり

by courtesy of Joey Rozier

 

小売り各社が、高級PB商品の開発・販売に力を入れているようです。

 

小売り各社が品質、価格が高めのプライベートブランド(PB=自主企画)商品を集客の目玉にする。ローソンは11月、コンビニエンスストアで最も高い食パンを発売する。スーパーではマルエツやイズミが品ぞろえを増やす。高品質PBはセブン&アイ・ホールディングスが先行。業界全体では既存店の減収基調が続く中、好採算のPBを増やす動きが広がってきた。(2013年10月16日付 日経新聞朝刊)

 

PB商品が売れる理由は、その安さ。もう少し詳しく書くと、同じ品質のNB商品よりも安い点が、消費者の支持を受けています。高級PB商品も然り。ただし、高級PB商品の場合は、価格対象商品が高品質NB商品となります。高級PB商品が売れているということは、それだけ高品質NB商品に支持が集まっている証拠であり、価格よりも品質を優先する消費者がそれなりに増えているということにもなります。

 

だからといって、あらゆる高級PB商品が売れるということにもならないでしょう。そこで、売れる高級PB商品が持つ共通点をまとめてみたいと思います。

 

【売れる高級PB商品の共通点】

[1]家計に余裕がある層をターゲットにしている

[2]時間を優先する層をターゲットにしている

[3]通常PB商品との違いが鮮明である

 

1は、高級スーパーのPB商品が当てはまります。価格よりも品質を重視する家計に余裕がある層をターゲットにしているからこそ、高くても品質に納得されれば売れるのです。逆に言えば、低価格志向の強い層をターゲットにするディスカウントストアなどで高級PB商品を売っても、さほど売れないことになります。

 

2は、コンビニの高級PB商品が当てはまります。例えば、セブンゴールドの金の食パンが売れたのは、ベーカリーショップに行く暇や手間を掛けられない層を心を捉えたからでしょう。24時間いつでも高品質の食パンを買えるという安心感が、ベーカリーショップから顧客を奪ったのです。

 

所得階層別に見ると、1・2の要因は、中~高所得者をターゲットにしていることと、まとめることもできます。雇用形態でみると、正規雇用者がターゲットということになります。

 

3は、パッケージでいくら高品質と謳っても、その違いが理解されなければ、通常PB商品との価格差に納得してもらえません。このわかりやすさこそが、重要となります。先ほどの金の食パンの例で言えば、そのパッケージの奇抜さがわかりやすさを生み出しています。和紙のような袋でシンプルなデザインだからこそ、他の食パンとの違いが鮮明となり、手に取られる確率が高まるのです。

 

また、競合品のわかりやすさも必要となります。金の食パンで言えば、ベーカリーショップで販売されている焼きたて食パンであり、ヤマザキの食パンではありません。競合品をわかりやすく伝えられるかどうかが、高くても売れるかどうかを決定づけると言っても過言ではありません。

 

このように、売れる高級PB商品を作るには、所得に余裕がある層や時間を優先する層をターゲットにし、競合商品とその違いを明確に伝える必要があるのです。特に、前者のターゲット層の設定を間違えると、いくら高品質の商品を比較的割安で売っても、支持を受けずに売れないという結果になります。売れる高級PB商品の共通点は、高くても売れる商品の必要条件と言ってもいいでしょう。

 

 

 

☆今日のまとめ☆

高級PB商品のように高くても売れるようにするには、所得に余裕がある層や時間を優先する層をターゲットにし、競合品とその違いを明確に伝える必要がある。

特に、前者のターゲット層の設定は重要である。

 

 

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☆  今日のこぼれ話☆

パソコンの不具合で、今日は大変な目に合いました。

結局、リカバリーが必要に。

バックアップを取ろうとしたら、外付けハードディスクドライブに容量が不足することが判明。

思わぬ出費です。

 

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