JR大阪三越伊勢丹に欠ける、実店舗型小売に必要な要素
改めて、JR大阪三越伊勢丹の失敗要因を調べに、店舗に足を踏み入れたところ、大きな欠点を見つけました。それは、店舗全体に暗さ。省エネのためにLEDを活用しているせいもありますが、エスカレーターから見ると、どのフロアも全体に暗いという印象を受けました。
この暗さは、店舗からにじみ出る楽しさを半減する可能性があります。そして、店舗の楽しさは、実店舗がネット通販と差別化する大きな要素。ショールーミングの回避だけに留まりません。アメリカのクリスマス商戦に見られたように、実店舗はショールーミングの対象さえにもならず、消費者に来店してもらえないという課題に直面しています。店舗に楽しさが無ければ、利便性の良さを取ってネット通販を利用する傾向はさらに高まります。
JR大阪三越伊勢丹の暗さは、楽しさを全面に打ち出す阪急うめだ本店がリニューアルオープンしてから、さらに際立ったのかもしれません。阪急うめだ本店は、西宮阪急で成功したコトコトステージを導入することで、モノの販売からモノを使った楽しいコトの提供に力を入れています。また、9階の祝祭広場では、劇場型の階段や巨大液晶を設置し、来るだけで楽しめる空間を提供しています。一方のJR大阪三越伊勢丹には、このような楽しい空間が特別あるわけではありません。あるかもしれませんが、印象に残らない程度のものなのです。
競争の激しい梅田に立地しているものの、ターミナルのJR大阪駅と直結し、集客力のあるグランフロント大阪の近くという利便性の高い立地。この利便性の高い優位性を活かせず、売上低迷から抜け出せないのは、店舗全体の暗さにも原因があるのではないでしょうか。
☆今日のまとめ☆
楽しさを全面に打ち出す阪急うめだ本店に比べて、暗いイメージのJR大阪三越伊勢丹。
この暗さも、売上低迷の要因だろう。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
楽しさを提供しないと来店してもらえなくなったということは、それだけ店舗運営にコストが掛かるようになったということであり、儲からなくなったとも言えます。