無印が密かにメガネ販売から撤退した理由

おしゃれなメガネby courtesy of Nisa yeh

先日、Café&Meal MUJI(ムジカフェ)について調べていたら、とあるリリースに遭遇しました。それは、メガネ販売からの撤退に関するリリース。メガネを取り扱う店舗は少ないですが、私がたまに利用する神戸・三宮では販売。実際に商品をじっくり見たわけではないですが、シンプルなデザインのフレームという印象です。

そこで、無印がメガネ販売から撤退した理由について考えてみました。

【無印がメガネ販売から撤退した理由】

[1]回転率が低く、損益分岐点に達しなかったため

[2]無印良品の良さであるシンプルさで差別化できなかったため

[3]品揃えが乏しかったから

[4]目的買いの商材であり、ついで買いが期待できないため

[5]メガネ専門店と比べて価格差が大きかったため

1・3は、メガネという商材の特性に起因します。メガネはそう購入頻度の高い商品ではありません。通常、購入したら1年以上使い続ける商材です。そのため、商品の回転率が低くなり、不良在庫が膨らみやすく、赤字から抜け出すのに苦労することになります。逆に言えば、JINSなどの成長するメガネチェーンは、低価格で販売することにより、回転率の低さを克服しています。購入頻度が低いだけに、それだけ商品選択には真剣になりがちです。そのため、できるだけ品揃えの豊富なお店で選びたいというニーズが高まり、シンプルな商品しか置かない無印の魅力は低下します。

2も、メガネ専門店との品揃えの差に他なりません。シンプルなフレームは、メガネ専門店でも販売しています。シンプルなフレームが欲しければ、わざわざ無印で買わなくても、いろいろ選べる専門店で買えばいいのです。

4について、大部分のメガネは視力矯正のために購入されます。この目的のために購入されるので、無印が得意とするついで買いはほとんど期待できません。

5について、実際の価格は忘れましたが、確か15000円以上はしたかと思います。JINSなどの格安チェーンなら5000円未満で買えることを考えれば、3倍以上の価格になり、割高感は否めません。よっぽど大きな差別化(ブランドロゴや画期的機能など)あれば別ですが、デザインだけの違いにすれば高すぎると考える人は多いでしょう。

消費増税のタイミングから、撤退のタイミングが今になったのかもしれません。メガネは、特売の少ない商材ゆえに、相当大きな駆け込み需要が起こると考えられ、4月以降売上が大きく落ち込む恐れがあります。ならば、3月中に販売を止めた方が、赤字額は小さくて済みます。

サイトをよく見ると、メガネ販売から撤退したのは、昨年の5月でした。

無印がメガネ販売を始めたきっかけは知りませんが、JINSなどの成長からファッションとしての需要が高まっていると判断し、アパレル感覚で進出したのかもしれません。しかし、メガネ需要の大部分は視力矯正であるので、メガネは購入頻度の低い商材なのです。無印の撤退やJINSの既存店売上の急減から、購入頻度の低い商材は、デザイン性などを高めることで高く売るか、メンテナンスで稼ぐかが必須であるように思えてなりません。

まぁ、もともと試験的な販売だったかもしれないので、メガネ販売からの撤退は良品計画にとっては、さほど大きな痛手ではないでしょうが。

☆今日のまとめ☆

無印がメガネ販売から撤退するのは、メガネという購入頻度の低い商材が、ついで買いで稼ぐ無印のビジネスモデルと合わなかったからだろう。

 

アメリカビジネスの最新事情メルマガはこちら

ワインを知れば、おもしろい

WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません

日々気づいた雑感はTwitterで発信中

すいません、Facebookはほぼ引退しました

年5%で資産運用する方法はこちら

 

☆  今日のこぼれ話☆

私も3月中にメガネを買い換えたいのですが、ガラスレンズのため、なかなか取り扱い店がないのがネック。

ちなみに、花粉症の季節は、常時メガネ着用です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です