米スターバックスが教えてくれる、プリペイドカードというビジネスモデル
Photo:Starbucks Card By bizmac
少し古いですが、米ビジネスウィークのサイトに、スターバックスのプリペイドカード事業に関する記事が掲載されていました。
Starbucks Just Sold $1.4 Billion in Gift Cards. What Did It Do With That Cash?
Starbucks (SBUX) is slowly adding a shot of banking to its grande coffee empire. As customers pour money into its gift cards and its mobile-payment app, the Seattle-based company is booking a tidy profit simply by holding onto customers’ cash.(2014年1月24日付 Businessweek)
スタバのプリペイドカードは、決済機能の付いた会員カード・モバイルアプリ。だから、そもそもは顧客の囲い込みを目的に作られたのです。一定の来店回数または購入金額に達すると、無料フードやドリンクなどのインセンティブがもらえるので、カフェを利用するならスタバにしようという動機が生まれます。これにより、スタバは顧客の来店回数を高めることができ、リピーターに育成できるのです。この会員カード・モバイルアプリにプリペイド機能を付けることにより、よりスタバを利用しようという動機は強くなります。カードに入金をしているのだから、使わなきゃ損という感覚が生まれるからです。
ただ、このプリペイドカード、単に顧客を囲い込むだけでなく、それ以上の収益をスタバにもたらしているのです。それは、フリーキャッシュ・フローの増加です。記事によると、四半期で14億ドルが入金されたとのこと。この莫大な金額がプラスのキャッシュ・フローとなり、スタバの経営を助けるばかりか、受取利息が増加することで経常利益を増やす小塚をもたらします。14億ドルは、スタバの四半期売上の約3分の1にあたるので、その収益に対するインパクトの大きさが理解できると思います。スタバは、プリペイドカードを導入することにより、新たなビジネスモデルを確立したとも言えるのです。
同様のビジネスモデルを持つのは、銀行などの金融機関。ただし、銀行は、預金金利を預金者に支払わなければなりません。スタバにはこの負担が発生しません。スタバの新しいビジネスモデルを真似する小売企業が今後増えるのではないでしょうか。
☆今日のまとめ☆
プリペイドカードは顧客囲い込みだけでなく、利息収入を生み出す新たなビジネスモデルを生み出せる。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
電子マネーもプリペイドカードの一種。
すでに、イオンやセブンの収益に大きく貢献しています。