【雑感】自動車販売動向から考えた、消費息切れとアベノミクス腰折れの可能性

 

クライスラーのディーラー

4-6月のGDPが想定以上に悪かったのですが、それ以上にショッキングなデータが公表されました。それは、軽自動車の7月国内販売実績です。

 

日本自動車工業会が29日まとめた7月の軽乗用車の国内生産台数は16万414台だった。前年同月よりも7台少なかった。2013年7月以降続いていたプラスは、12カ月連続で途切れた。(2014年8月30日付 日経新聞朝刊)

 

たった7台だけの差なので、ほぼ前年並みと言えるでしょうか。それでも、1年ぶりにプラスが途切れたことには間違いありません。この原因は、もちろん消費増税。増税前の駆け込み分の納車がずれ込んだ影響があったのですが、その受注残もすっかり無くなり、増税の影響がモロに出たようです。

 

軽自動車の購入者の大部分が、地方在住者であることを考えると、地方の消費の落ち込みを示しているとも考えられます。軽自動車の販売実績にも、消費の地域格差がにじみ出ています。

 

この記事でさらに興味を引いたのは、軽自動車の生産が11ヶ月ぶりにマイナスに鳴った点。7月生産した分の引き渡しは、8月以降になるので、8月以降の販売もあまり芳しくない可能性が高いということです。自動車産業の裾野の広さを考える、生産減の影響は、残業・現金給与の減少という形で消費者に跳ね返ります。軽自動車の生産実績を見る限り、8月以降の個人消費もあまり期待できません。

 

8月31日には、8月自動車販売のデータが発表されています。

 

8月の新車販売台数(軽自動車を含む)は前年同月比で約9%減の33万3千台程度になったもようだ。消費増税前の受注残が解消し、減少幅は増税後で最大となった。軽自動車は2ケタ減で減少幅が3年ぶりの大きさだった。地方で販売が弱く、増税や物価高による購買力の低下が表れた。西日本を中心に台風や大雨の影響も出たようだ。(2014年8月31日付 日経新聞朝刊)

 

記事にもあるように、8月の新車販売はもうボロボロです。特に軽自動車は、3年ぶりの2ケタ減という最悪の状態。地方の消費の弱さがモロに出ています。9月は車検効果で販売増が期待されているようですが、逆に9月の数字が想定以下だと、消費の弱さがさらに露呈することになります。

 

8月は天候不順のため、消費が弱含んだ可能性が高いでしょう。ただ、その分9月が期待されますが、この9月がもし悪ければ、消費再増税の延期・アベノミクスの腰折れの恐れがあります。10%への増税は、国際公約とも言えるので、IMFや投資家から失望される恐れがあり、その場合は株価下落につながります。そうなれば、株価上昇→資産効果による消費増で始まったアベノミクスは頓挫したも同然。それを回避するために、公共事業を積み増すことも考えられますが、人手不足がネックで予算を組んでも執行できないかもしれません。ならば、GPIFで無理やりにでも株価を押し上げてくるでしょうか。

 

結局、株価上昇で潤うのは、大都市の消費者と資産を持つシニア層だけ。地方に景気後退の荒波がやって来れば、節約志向・低価格志向が復活するかもしれません。この変化、大きなチャンスに化ける可能性があります。

 

☆今日のまとめ☆

自動車販売動向から考えると、地方を中心に個人消費はかなり落ち込んでいるのではないか。

9月にある程度戻らないと、消費再増税の延期につながりかねない。

もしくは、増税断行により、地方でのアベノミクス腰折れの可能性も十分ありえるだろう。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

東京は、これからも景気拡大続くでしょう。

オリンピックまでは十分続きます。

個人的には、リニアの需要は本当にあるのでしょうか。

まだまだ人口は減少しますし、LCCも増えるんでしょう。

ゆっくり風景を見ながら旅行をしたい人は増えるにしても、時間短縮を目指す人はそう増えないのではないでしょうか。

 

 

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