商材としての、ポップコーンとグラノーラの共通点・相違点
先日、神戸の駅前型SC・ウミエ(umie)に行ったところ、新しいポップコーン店を発見しました。最近のポップコーンは、気軽に食べられるようなお菓子ではありません。Sサイズでも、500円近くします。(一番安い塩味で280円)Sサイズと言っても、ポテトチップスのように60gもないですよ。ポテトチップスの小袋タイプぐらいでしょうか。美味しいと思って少し頬張ると、すぐに無くなるぐらいです。ポップコーンは高いお菓子に昇進したようです。
高くなった人気商品と言えば、グラノーラがありますね。そこで、ポップコーンとグラノーラの共通点・相違点について考えてみました。
まずは、共通点から。
【ポップコーンとグラノーラの共通点】
- オペレーションがシンプルなため、人件費を低く抑えられる
- 単価が高い
1について、以前ヒルバレーの記事で取り上げた通り、オペレーションがとてもシンプルです。注文を受けて、指定サイズのポップコーン・グラノーラを入れ物に入れるだけ。火や水を使うことがありません。正確なグラム数を入れればいいだけなので、未経験のアルバイトでもすぐに戦力化できます。グラノーラの場合は、パッケージ済みの商品を売るだけの場合もあるのでしょう。これなら、単に商品を外袋などに入れるだけ。このため、人件費を低く抑えられることができるのです。人手不足が叫ばれる中、本当に羨ましい商材ですね。
2について、ポップコーンの高さは説明済で、それに負けじとグラノーラも高いです。グラノーラの場合は、専門店のみならずスーパーで売っているような輸入グラノーラの価格も、結構します。客単価引き上げたいスーパーなら、輸入グラノーラの販売を強化した方がいいかもしれません。単価が高いからこそ、集客力の高いSCや百貨店内に出店できるのでしょう。ニーズが多様化していると考えれば、単価の高い専門商材は、トレンドに合致した商材と言えます。
相違点は、売上、特に客数に大きく影響しているようです。
【ポップコーンとグラノーラの相違点】
- ポップコーンは匂いが立ち込めるのに対し、グラノーラはほんんど匂いがない
- ポップコーンはその場で食べられるのに対し、グラノーラは自宅で食べる場合がほとんど
- ポップコーンは自分用だけではなくおみやげ用に使われるのに対し、グラノーラは自分用に購入されるのがほとんど
1について、これは集客に大きく影響します。匂いにつられて、ついついポップコーンを買ってしまう人も多いでしょう。実際、ウミエのホリデーポップコーン(HOLIDAY popcorn)は、匂いにより衝動買いをしている人が多いように感じました。一方のグラノーラには、匂いがほとんどありません。よって、そのほとんどは、目的買いと思われます。この購入動機の違いが、客数の違いに大きく影響します。
2について、これも購入動機に影響します。ポップコーンはその場で食べられるので、小腹が空いた時に購入される確率が高くなります。一方のポップコーンは、自宅で食べることがほとんどなので、ちょっとした空腹時や食べ歩きの需要を獲得できません。これも、客数に影響します。
3について、またまた購入動機になります。ポップコーンは自分で食べる用だけではなく、お土産用にも購入されます。よくあるパターンが、百貨店に出店しているヒルバレーで、子供用に買う母親や友達用に買う女性。一方のグラノーラをお土産用に買う人は、ほとんどいないのではないでしょうか。この「誰が食べるか」の違いも、客数に影響します。
どちらの方がビジネスとして有望かといえば、衝動買いを引き起こしやすく、購入動機も多いポップコーン。だから、ウミエには二軒も専門店型ポップコーン販売所があるのでしょう。(もう一軒は、パンケーキ専門店・バターが売るポップコーン)ポップコーン人気は、まだ続くようです。
☆今日のまとめ☆
ポップコーンとグラノーラの共通点は、シンプルなオペレーションのため人件費を抑制できる点と、単価の高い点。
一方、相違点は、匂いの有り無し、その場で食べられるかどうか、手土産して使えるかどうかにより、購入動機の違い。
衝動買いが起こりやすく、購入動機が高いポップコーンの方が、ビジネスとしては有望と言える。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
- 今日のこぼれ話☆
グラノーラ専門店もこれから淘汰が起こると思いますが、ここで残れば残存者利益を享受できます。
それを今から狙っている企業もあるでしょうね。