衰退市場でも成長できる余地はある。

今月号の日経トップリーダーでは、珠算教室を営むイシドさんが紹介されています。「今時、そろばんなんて需要があるの?」という反応をする人が多いことでしょう。私もそう思い、そろばん教室というニッチ市場で努力する企業として掲載されていると予測しておりました。しかし、その記事を読んでみると、その予測は覆されることに。

この企業は、そろばん教室をチェーン展開しており、売上は約1億5千万円ほどで、2010年9月期は2億を超えるというからすごい。イシドさんがここまで大規模にそろばん教室を経営しているのには、秘密があります。その秘密は、

◎     そろばんを教えているのではなく、能力向上トレーニングを行っている

という事業ドメインの設定にあります。

創業時に珠算教室業界に参入した時には、そろばん教室には親御さんの需要があり、競合も多くあったようです。しかしながら、電卓の普及によって珠算技術の優位性が崩れたため、競合はそろばん教室に見切りをつけ、学習塾に衣替えをしました。ここが、運命の分かれ道。イシドさんは、

◎     そろばんの使命は終わったのだろうか?

と常を疑い、「珠算技術を教えるのではく、能力向上トレーニングを行う。」という切り口に変えたのでした。その結果、珠算教室業界では一人勝ち。全国に教室を展開しています。一方、珠算教室から学習塾へ宗旨替えをした企業は、競争激化に苦しんでいます。

子供市場も少子化の影響を受けるので、子供を対象にした商売をしている以上、将来が安泰とは言えません。しかし、少子化⇒教育費が減るということにはなりません。逆に、公的教育への不安から、習い事や塾への支出が増える傾向にあります。また、日本が今後成熟経済を余儀なくされるとなれば、雇用環境の改善も見込めないと考えるもの。ならば、せめて子供の能力を向上させて、将来有利な人生を歩めるようにしたいのが親心というものです。このように考えると、上辺だけの統計に左右されるのではなく、統計から深く推測することが重要なことがわかります。

同じことは食関連業界にも言えるのではないでしょうか。人口減少は胃袋を減少させます。だからと言って、「食関連業界はお先真っ暗だという!」というわけではありません。これまで消費してきた層以外の消費者が、食べるにはどうしたらいいのか?食べる機会を増やすことはできないか?例えば、カロリー計算してくれるレストランがあれば、ダイエットしている人のニーズをつかむことができるでしょう。もちろん、単にこれまでと同じモノやサービスを売っているだけでは、市場全体のトレンドの影響からは免れません。ここで、重要になるのは、お客さんが欲しがる切り口で商品を提供できるかどうか。まずは、顧客ニーズを徹底して考えることから始まります。

☆今日のまとめ☆

全国チェーンの珠算教室が成功した理由は、顧客ニーズに合致する切り口を提供できたから。

一見衰退市場でも、市場をよく観察することでニーズを見つけることができる。

まずは、顧客ニーズを徹底して考えること。

☆7/15の目標 ☆

1  プライベートブログの更新 ×

2  午前7時起床 〇

3  毎朝、鏡の前で笑顔の練習 〇

4  腕立て・腹筋を各30回 ◯

5  部屋・事務所などの掃除をする ×

6  手帳に今日の反省の明 日の希望を書く。×

7  読書(書籍・雑誌)をする 〇

8  毎朝、ツイッターでつぶやく ×

☆     今日のこぼれ話☆

珠算教室のイシダさんの事例にはびっくりしました。

まさか、そろばん教室で全国チェーンがあるなんて。

日経トップリーダーには、中小企業の事例が盛りだくさんで、大変勉強になります。

思えば、昨日は編集長の高柳さんの講演を生で聞いて、テレビでは「ルビコンの決断」でお目にかかることに。

昨日の桂義塾セミナーについては、明日にでも。

(今 日の言葉)

「起 業家十戒:自分の未来は、自分で切り開く。他人ではなく、自分で自分の運命をコントロールする。」
(ファーストリテイリング社長柳井正著 「一 勝九敗 (新潮文庫)」よ り)

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