そろそろ本気で訪日外国人向け商品を考えた方がいいかもしれない。
日経夕刊に、訪日外国人の大幅増に関する記事が掲載されていました。
2014年に日本を訪れた外国人旅客が1340万人程度と13年より3割増えたことが日本政府観光局(JNTO)の推計でわかった。滞在中に買い物などに 使ったお金も2兆円を超えた。円安に加え、免税品の拡大で日本を旅行先に選ぶ旅客が増えており、消費市場で外国人の存在感は一段と増している。(2015年1月19日付 日経新聞夕刊)
この記事、夕刊ながら一面トップ記事なのです。それだけインパクトの大きなニュースなのか、それともその他に大したニュースがなかったのか。いずれにせよ、人口減少に悩む日本にとって、訪日外国人の大幅増は神風とも言える環境変化でしょう。
記事に掲載されていた数字をまとめてみます。
【2014年訪日外国人に関する数字】
[訪日外国人総数]1340万人→そのうち韓国276万人(20.6%)、台湾283万人(21.1%)、中国241万人(18.0%)=この三カ国合計で800万人(59.7%)
[日本滞在中の支出金額]2兆300億円(昨対比4割以上増)→そのうち買い物7000億円(34.5%)、宿泊費約6090億円(約30%)、飲食費約4060億円(約20%)
[一人あたりの支出金額]15万1000円→中国人は約23万円
つぎに、訪日外国人の客数・客単価への影響を考えてみたいと思います。
日本の総人口が1億2730万人であるので、訪日外国人は総人口の1割を超えています。観光名所の有無、有名かどうかなどにより偏りはありますが、来店客の1割が訪日外国人になっても不思議ではなくなります。もちろん、訪日外国人の増加は、客数の増加となって表れます。
旅行者は、永住者よりも短期ステイで時間の制約を受けるため、永住者に比べて支出金額が多い傾向にあります。例えば、永住者の場合は、1ヶ月単位の家賃を払えばいいものの、旅行者は原則1日単位の宿泊料を負担しなければなりません。また、小売店・飲食店でよく見られるロイヤルティプログラムを利用することも、ほとんどありません。ちなみに、家計調査によると、日本人一人あたりの約1周間の支出金額は、約2万3800円(2013年)。訪日外国人は、その6倍以上支出していることになります。その結果、客単価にはプラスに働きます。
このように、訪日外国人増は、店舗型ビジネスにとって客数・客単価ともプラスに働くので、この優良顧客を無視するわけにはいきません。しかし、現実には、訪日外国人を明確にターゲットにしている小売店・飲食店はまだまだ少数。百貨店・ドラッグストア・SC・GMSぐらいでしょうか。訪日外国人向けのビジネスは、まだまだ始まったばかり。さらに、今後さらにチャンスは広がります。このビジネスチャンス、ぜひとも活かしたいもの。
☆今日のまとめ☆
訪日外国人増は、店舗ビジネスにとって客数・客単価ともプラスに影響する。
訪日外国人という優良顧客を無視するのは、とてももったいないこと。
しかし、現実には訪日外国人を明確にターゲットにした商品・販促はまだまだ少ない。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
- 今日のこぼれ話☆
訪日客の国別シェアを見る限り、韓国語・中国語の表示は必須でしょうね。
英語よりも重要とかもしれません。