楽しさの有無が売れ行きを左右する?
買い物における楽しさの価値が、どんどん向上しているように感じます。例えば、ユニクロ。低価格カジュアル店ですが、店内は彩り豊かで楽しい。CMも洗練されて、楽しい。その結果、国内ユニクロ既存店売上高はプラスに推移しています。ニトリも同じ。ユニクロ・ニトリの共通点は、高単価・高付加価値商品が売れることにより、消費増税による客数減を克服し、既存店がプラスな点。この既存店プラスの秘密は、単に品質のいいモノを売っているのではなく、楽しい雰囲気で売っているからではないでしょうか。
既存店が振るわないコンビニ業界で一人勝ちのセブン-イレブン。コンビニと言えば、時短ニーズに合致した小売ですが、コンビニ市場の中では時短は当たり前。では、セブン-イレブンが”勝っている”要因は何か。これも楽しさだと思うのです。セブンのテレビCMを見たことありますか?レトロな曲をBGMに、そこには美味しそうな商品と笑顔があります。このCMによって伝えたいのは、「セブン=楽しい」という概念ではないでしょうか。あの曲を聞けば、楽しそうなセブンがある。この概念を心に固定させようと、あのCMはしているのです。一方、他のコンビニチェーンには、セブンほどの強いイメージはありません。この「セブン=楽しい」という強いイメージ・概念こそ、セブンの持つ最強の強みかもしれません。
実際、それが店内雰囲気・商品にも表れています。例えば、ドーナツ。一日一店舗あたり平均100個売れているようですが、カウンターにあのドーナツと専用ショーケースがあるだけで、カウンターに楽しさが付加されると感じるのは私だけでしょうか。ローソンが、一部店舗で店内調理総菜をカウンター近くで販売するのは、すべての購入客が通るカウンターを華やかにすることにより、店をより楽しくさせるためではないでしょうか。
業績不振のマクドナルド。マクドナルドに楽しさはあるか、と言えば、残念ながらイエスとは言えません。雰囲気にしてもうるさい中高生のたまり場というイメージが付いていますし、メニューも一部食材をシャッフルした似たようなものばかり。この楽しいイメージの無さが、マクドナルドの業績不振の最大の要因かもしれません。そういう意味では、ロコモコバーガーやハワイ風パンケーキは、楽しさを回復させるために効果的な投入だったと言えます。売れたかどうかはわかりませんが。(ネット上の口コミでは評判はいいみたいですよ。)
楽しさで絶好調なのが、阪急うめだ本店。この店舗は、売場面積を従来比約70%まで狭めたにも関わらず、売上は目標値を超えているようです。このからくりは、催事など楽しいイベントを増やすことにより、集客に成功しているから。さらに、百貨店にも関わらず100円パンを売るなど、来店客が思わず買ってしまういい意味での仕掛けが多々見受けられます。実際、エイチ・ツー・オーリテイリングは、物販主体の百貨店業から生活情報サービス業への転換を目指しているようです。単にモノを売るのではなく、モノを通じた楽しい生活をプロデュースしていると言えばいいでしょうか。
一方で、百貨店業界で苦戦するのが、地方の店舗。最近の地方の百貨店にはほとんど足を踏み入れたことはないですが、恐らく楽しさが不足しているのではないでしょうか。逆に、イオンモールなど他のSCが楽しい空間を作っている関係上、地方の百貨店がより楽しくなくなっているかもしれません。
スーパー業界も同じ。例えば、ライフコーポレーション。ライフの好業績の要因は、売場を広げた総菜と高付加価値の生鮮品。もちろん、卵や牛乳など購入頻度の高い食品は割安感を出していますが、収益向上の立役者は総菜と生鮮品のようです。神戸の2店舗しか知りませんが、店内は明るく確かに楽しそう。特に、総菜売場は品揃えも豊かで、作りたて商品の多いため、選ぶだけでも楽しめます。確か、魚ソングも流れていなかったような。価格競争の激しいスーパー業界で、ライフが安さを強調しないで好業績なのは、店舗に楽しさがあるからではないでしょうか。
楽しさこそ、消費者がお金を払う要素なのかもしれませんね。
☆今日のまとめ☆
楽しさのある小売チェーンは、高くても売れている。
消費者は、楽しさにお金を払っているのではないか。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
- 今日のこぼれ話☆
選挙の季節になりました。
今回も、年度末に売り込みに来る営業マンの如く、候補者のプロモーションが駅前などで繰り広げられています。
東灘区選挙区は、穴場なのでしょうか、新人が多い。
しかも、地方議会を任せられる専門知識を持った人がほとんどおらず、大丈夫かと思わざるを得ない人が多いのが特徴です。
東灘区民はナメられているのかなぁ?