客数は増やせばいいというものではない?
ニトリが16年連続の最高益を達成したようです。ニトリと言えば、今月の日経新聞・私の履歴書で創業者の自伝が公開されています。好業績企業は、その要因を読み取ることで売れるヒントがわかるので、研究し甲斐があります。
ニトリの16年も連続で最高益を記録したのは、外部環境にうまく対応したからに他なりません。リーマン・ショック後の景気後退期には、値下げにより需要を喚起。一方で、アベノミクスによる景気回復期には、高付加価値商品の投入により客単価引き上げに成功しています。単価引き上げは、単に値上げすれば成功するのではなく、価格の高い商品が売れたからこそ達成できたもの。ニトリの高単価商品が売れたのは、その品質の高さもそうですが、それ以上に広告などで「ニトリ=安くておしゃれ」という印象を植え付けるのに成功したからでしょう。ニトリの広告は、大塚家具の広告よりも明らかにおしゃれであり、楽しめます。「楽しい」という売れるキーワードは、ニトリでも効果を発揮したと言えるでしょう。
2014年の小売業は、消費増税の影響を受けて業績を悪化させる企業が多いのが特徴。コンビニしかり(セブン以外)。要因は、節約志向の高まりによる客数の減少。ニトリは、これを客単価の引き上げでカバーすることに成功しました。客数減・客単価増は、小売企業・外食企業の特徴ですが、既存店売上を客単価増でプラスにしたのは、ニトリの凄さ。
できれば客数も増やしたいのですが、客数が減ることで得られる効用もあるのではないでしょうか。それは、接客サービス・店舗雰囲気の向上です。例えば、ニトリの場合、客数が減ることで、レジでの待ち時間が減ったことが容易に想像できます。これは、来店客にとってうれしいこと。さらに、来店客がさほど多くないので、気兼ねなく店舗従業員に質問できます。これも、来店客にとってプラス。客数が減ることで、店舗がゆっくり・じっくり買い物できる環境となり、それが逆に高単価・高付加価値商品の売上に好影響を与えているのではないでしょうか。特に、家具のような耐久消費財では、店舗がさほど混んでいない環境というのは、重要だと思われます。
ただし、客数が減りすぎるのも問題。店舗に活気が無くなり、「売れていない店」という印象を与える恐れがあるからです。もしかしたら、大塚家具は客数の減りすぎにより、業績悪化のスパイラルに陥っているのかもしれません。大衆向けの飲食店も然り。例えば、ワタミは高単価・高付加価値メニューの投入で失敗しました。その要因は、客数の大幅減により、店舗に活気が無くなったからではないでしょうか。それ以前に、店舗従業員の負荷が強すぎて、接客サービスが低下したことも考えられますが。
ターゲット顧客を鮮明にするためにも、客単価をある程度引き上げることは重要だと考えます。これに成功したのが、スタバでしょう。あの価格でコーヒーを飲もうという層は、ある程度絞られ、利用する高校生も比較的礼儀がわかっている人が多そうです。逆にこれに失敗したのが、マクドナルドでしょう。200円でコーヒーとハンバーガーが食べられるため、中高生のたまり場と化しているというイメージが強くなり、このイメージ悪化で客離れが起きているとも考えられます。もし店舗ビジネスをするにしても、ある程度客単価は高めにしつつ、来店頻度を高める集客商品をいつくか揃えるという戦略こそ一番成功確率が高いと考えます。
☆今日のまとめ☆
売上減につながる客数減は、買い物しやすい環境を作る効果も持つのではないか。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
- 今日のこぼれ話☆
ちょっとひねくれた意見でしたね。
最近当たり前のことばかり拙い日本語で書いているからでしょうか、アクセスが激減しています。
もっと過激な・不合理な意見を発していきたいと思います。