ぐるなびタッチ、デジタルゆえの大きな欠点。

ぐるなびタッチ@紫金飯店

 

先月、日経新聞朝刊にぐるなびの全面広告が掲載されていました。ネットサービスが新聞に全面広告出すなんて珍しい。だからこそ、目についたのですが、その内容はぐるなびタッチというサービスについての意見広告のようなものでした。

 

この広告の訴えようとしているところは、

  1. 乱発される割引クーポンは、外食業界を疲弊させているという現実。
  2. ぐるなびタッチを使えば、リピーターに手厚いクーポンを発行でき、再来店を促せる。
  3. ぐるなびタッチは、登録不要の簡単操作。
  4. ぐるなびタッチで、顧客の来店回数などのデータベースを作ることができる。

の4点。

 

割引クーポンの乱発を嘆いている部分は、ある意味自社のサービスを否定するようで、クーポンを発行できるオンライン版レストランガイドサービスを提供してきたぐるなびの苦しい現実を垣間見ることができます。掲載店舗を開拓するのに、相当苦労しているのでしょうか。(今では無料掲載もできるようです。)

 

割引クーポンは来店動機を与えるインセンティブの一種ですが、クーポンを発行するレストランが増えると、クーポンを発行していることがインセンティブにならず、クーポン内容が来店の誘因となります。クーポン内容とは割引内容であり、割引内容に多くの消費者が関心を示すと、それは値引き競争になります。この値引き競争が、外食業界全体にとって大きな問題となっているというわけです。

 

そこで、この値引き競争を打開するために、ぐるなびが提案するのが、ぐるなびタッチ。これを使うことの一番大きなメリットは、

 

リピート回数により、クーポン内容を変えることができる

 

という点です。リピート回数が増えれば増えるほど、顧客は得をする。だから、顧客はまたお店に来ようと思い、お店はリピーターを育て増やすことができる。こういう理屈です。

 

これは、店舗型ビジネスが発行するポイントカードと大変似ています。ポイントカードを発行するお店で買えば、ポイントを貯めることができ、そのポイント分だけ得することができいます。だから、消費者は、できるだけポイントカードを持っているお店で買おうとする。これで、リピーターの出来上がり。ぐるなびタッチと全く同じ理屈です。

 

ぐるなびタッチの優れている点は、

  1. ポイントカードと違い個人情報を登録する必要がなく、ぐるなびタッチに携帯電話をかざすだけで初期登録・クーポン取得ができる。
  2. 手元になければポイントをもらえないポイントカードと異なり、手元にある確率の極めて高い携帯電話をかざせば、クーポンがもらえる。
  3. ポイントカードのように、余分に物理的な物を持ち運ぶ必要がない。

でしょう。無料で作れるポイントカードを作らない理由として多いのは、「登録が面倒」「持ち運ぶのが面倒」「財布が膨らむのが嫌」など。ポイントカードのこれらの欠点を、ぐるなびタッチは克服したことになります。

 

しかし、ぐるなびタッチには、忘れてはならない大きな欠点があります。それは、

 

ぐるなびタッチを使うお店が増えれば増えるほど、どこのお店でタッチしてクーポンを貰ったのかが、わからなくなる。

 

という点。デジタルならではの欠点です。ポイントカードならば、財布の中を覗けば、どこでポイントを貯めているかが一目瞭然。しかも、わざわざ登録したお店だから、どこでポイントサービスをしているかを覚えている可能性も高いでしょう。ぐるなびタッチの場合は、ポイントカードのような特別なモノがないので、記憶に残っていなければクーポンの存在に気づきません。携帯から貯まったクーポンを閲覧できるサイトを見ればわかりますが、そのためには携帯のボタンを何度か押さなければアクセスできません。これが面倒なのです。

 

また、ぐるなびタッチで獲得したクーポンの数が増えれば、クーポン内容で来店するお店を決めるようになり、クーポン乱発による弊害と同じことが起こります。

 

これらの欠点を克服するには、当たり前ですが、お客さんにお店の存在を覚えてもらう必要があります。もちろん、おいしい料理や感動的なサービスを提供することで、お客さんにお店の印象を残すことは可能です。しかし、それだけにとどまらず、普段からお店の情報をお客さんに発信することが重要だと思います。これは、ぐるなびタッチを導入するしないにかかわらず、常連さんを作るオーソドックスな方法です。

 

 

ぐるなびタッチの記事

 

☆今日のまとめ☆

ぐるなびタッチは、登録不要で携帯さえあれば使えることできるので、消費者にとってポイントカードよりも利便性は高い。

しかし、ぐるなびタッチを使うお店が増えるほど、ポイントカードのようなモノがないがゆえに、お店を思い出してもらうことが難しくなる。

ぐるなびタッチを導入するしないにかかわらず、普段からお店の情報をお客さんに提供し、忘れないでいてもらうことが重要である。

 

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☆今日のこぼれ話☆

ぐるなびタッチは、ぜひ使ってみたいサービスです。

普段携帯からサイトを見ないので、パケット料金がかかるのがネックですね。

ちなみに、普通の携帯の場合は、おサイフケータイ機能を持つ携帯しかぐるなびタッチは使えないようです。(スマートフォンの場合は、アプリをインストールすれば使えるとのこと。)

 

☆昨日の目標→その結果☆

◎朝6時に起きる→☓

◎毎日情報を発信する→◯

◎毎日仕事以外の人に話掛ける→◯

◎腕立て・腹筋30回→◯

◎自宅のある12階まで歩いて登る→◯

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