ビアフェスで出展メーカーが効果を上げる方法とは?(ビアフェス大阪2011を終えて)
ボランテイアとして参加する前、ビアフェスティバルは地ビールの組合が主催したイベントだと思っていました。地ビールは中小企業がほとんどなので、各メーカーが対消費者のイベントを開くのは荷が重すぎます。なら、組合として一緒にイベントを行えば、地ビール全体の消費拡大につなげることは可能だからです。食品業界の組合では、よく使われる手法です。
しかし、ビアフェスの主催は、組合ではなくボランテイア団体の日本地ビール協会。地ビール好きが集まって設立されたようです。そのせいもあって、ビアフェスには販売色がほとんどなく、入場料としてお金はいただくものの、大変和気あいあいとしたイベントになっています。
以前よく対消費者のイベントに参加した者として気になるのは、
出展した地ビールメーカーにとって、出展効果はどの程度あるのか?
ということ。出展するには、出展料だけではなく人や機材を提供する必要があります。(協会ブースで出展する場合は、ビールの提供のみ。)近畿以外のメーカーの場合は、交通費以外に宿泊費も発生します。中小企業にとってこれらの費用は決して無視できません。
ちなみに、ある出展メーカーさんからヒヤリングしたところ、出展料はかからないみたいです。ただ、ビールは無償で提供する必要があるとのこと。出展料がかからないのは、ボランテイア団体のイベントだからでしょうか。
出展料がゼロ円だとしても、ビールや人・機材は提供しなければなりません。そのコストを上回る効果はあるのかどうか。メーカーにとっての効果とは、売上・利益の増加を指します。多くの消費者に試飲してもらうことによって、売上・利益が増えれば、出展効果が出たことになります。
多くの入場者=消費者は、複数の地ビールを試飲します。一部の熱心な地ビールファンの方は、ノートに飲んだ銘柄と感想をメモしていましたが、残り多くの入場者は、ひたすらいろんな地ビールを飲んでいました。後で何を飲んだかを覚えている人は、いないのではないでしょうか。ずば抜けて美味しかった地ビールは覚えているかもしれませんが、そこそこおいしいと感じた地ビールはほとんど記憶にないと思います。ほとんどの地ビールは、そこそこおいしいものだから、さらに困ったものです。美味しいと感じた銘柄を覚えていなければ、イベント後に購入することは大変難しくなります。
また、イベント会場で即売会は行われていませんでした。その理由は確かではないですが、おそらく酒類販売の免許上問題が発生するからでしょう。地ビール協会に免許がないからです。だから、ビアフェスで試飲して美味しいと思った銘柄を、家族や友人へのプレゼントとしてイベント会場で購入することはできません。ちなみに、ワインの試飲イベントでは、即売会は必ず行われています。地ビールメーカーにとって、試飲してもらっても販売できないことは、このイベントの大きなデメリットのように思えます。
そこで、ある地ビールメーカーさんにイベント出展の効果を聞いてみたところ、イベント終了後の飲食店さんからの問い合わせがあるとの回答を頂きました。ただ、答える様子は大変渋く、出展の効果はそれほど高くないという印象を持ちました。考えてみると、そうかもしれません。飲食店や酒販店さんとの取引拡大を目指すならば、対消費者イベントではなく業界内の展示会に出展すればいいのです。出展料はかかるかもしれません(それも何万円ほど)が、地ビールに関心のある企業が来展されるので、顧客拡大につながる確率は高くなります。対消費者イベントで出展企業が期待するのは、
イベントで試飲してもらう→自社の地ビールを気に入ってもらう→近くの酒屋に買い行ってもらう→おそらく取り扱ってないので、その酒屋に問い合せてもらう→その酒屋でその銘柄の販売が始まる
というシナリオ。しかし、試飲した消費者がその銘柄を覚えていなければ、「近くの酒屋に買いに行ってもらう」という行動は起こりえません。
逆に考えると、試飲した消費者がその銘柄を覚えておける仕組みがあれば、期待したシナリオが起こる確率が高くなります。その方法は、試飲リストをメモしやすいタイプに変えていいですし、試飲したらスタンプを押すというのもありでしょう。なんせ、「試飲して記録する」という行為を、できるだけストレスなく行える仕組みがあれば、受け入れられると思います。地ビールには数えきれないほどの種類があるので、地ビール好きには「何を飲んだことがあるか。」「どれがよかったか。」を記録したいという強いニーズがあるのではないでしょうか。あくまでも、私の読みですが。
☆今日のまとめ☆
コストをかけてビアフェスに出展する地ビールメーカーは、試飲した消費者が自社商品を酒屋や飲食店で買ってくれることを期待する。
その過程で、消費者が酒屋や飲食店に問い合わせることによって、取扱店を増やすことができる。
ただし、現状の仕組みでは、試飲した銘柄やその感想を覚えている入場者は、ほとんどいないのではないか。
ストレスなく試飲した銘柄と感想を記録できる仕組みがあれば、出展メーカーのみならず地ビールファンにもメリットは大きい。
☆今日のこぼれ話☆
ただ、企業の立場からすれば、地ビール好きがイベントを主催してくれるのは、なんともありがたいことです。
ありがたいどころか、涙が出るほどうれしいと思います。
それだけ、消費者に愛されているということを実感できるからです。
対消費者ビジネスの醍醐味は、自社のファン(愛用者)との交流にあると思います。
例えれば、地ビールメーカーに対するビアフェスは、ミュージシャンに対するライブですね。
なんだか、地ビールが飲みたくなりました。
☆昨日の目標→その結果☆
◎朝6時に起きる→☓
◎毎日情報を発信する→☓
◎毎日仕事以外の人に話掛ける→☓
◎腕立て・腹筋30回→◯
◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→☓
◎部屋や家の掃除をする→☓