食品パッケージに検索ワードではなくURLが記載されるのはなぜ?

 

先日、とある食品スーパーに行って、

食品パッケージとウェブのリンク

について調査しました。調査方法は、大手企業を中心にそのメーカーの商品を手に取り、ウェブへのリンクがどのように表示されているかを調べるという、簡単なものです。また、加工食品を中心に調査しました。

 

その結果わかったことは、

 

大手・中小メーカーの商品のほとんどは、ウェブのアドレスが表示されている

 

ということです。

 

これは意外でした。というのも、特定のウェブサイトにたどり着く方法は、ほとんどの場合まず検索だからです。特に、特定の商品や企業について調べたいと思ったら、ヤフーかグーグルの検索窓に商品名や企業名を入れて、検索ボタンを押す。これが、一番スタンダードな方法です。ならば、商品パッケージからウェブサイトに誘導するには、検索ワードをパッケージに記載するのが最適です。しかし、実際には、検索ワードを記載したパッケージはごくごく一部で、ほとんどの商品パッケージに記載されているのはURL(サイトアドレス)でした。

 

その理由を推測しました。考えられるのは、

  1. 検索エンジンを経た場合、企業サイト以外のブログなどを見てしまう可能性があるから。
  2. 検索アルゴリズムの変更により、検索結果の1ページ目に表示されないリスクがあるから。
  3. そもそも、商品パッケージを見てサイトを訪れる人がほとんどいなく、サイトへの誘導を期待できないから。

の3つ。

 

1については、同じ立場の消費者が発信する情報(つまり口コミ)を信用する消費者が増えてきたことを考えると、検索エンジンを通過すると、企業サイトはスルーされてブログに行く可能性があります。ブログで購買意欲を高めてくれたらいいのですが、もしかしたらマイナスの評価がされているかもしれません。その場合、購買意欲は高まるどころか、買う気がなくなってしまうでしょう。また、無料ブログには広告が付きもの。広告を見て、その商品への関心が薄れてしまうかもしれません。これでは、商品パッケージにウェブサイトへのリンクを付けた意味が無くなります。(いや、付けない方がいいでしょう。)

 

2に関しては、特に説明がいらないと思います。検索結果の1ページ目で目当ての情報がなければ、調べることが面倒になってやめてしまう確率は高いでしょう。もちろん、2ページ目以降を探す人もいますが、その人はすでにその商品を十分認知しており、もしかしたらファンかもしれません。わざわざサイトに誘導しなくても、次も買ってくれることでしょう。

 

3については、コストゼロでサイトへのリンクを商品パッケージに記載できるから、記載しているに過ぎないという考え方です。商品パッケージにURLを記載するスペースがあるなら、記載してもしなくても袋のコストは変わりません。なら、記載しよう。もしかしたら、お金を掛けてせっかく作ったサイトにアクセスしてくれるかもしれない。それで、次も同じ商品を買ってくれたら儲け物。こういう発想でしょうか。ちなみに私自身は、商品パッケージを見て、サイトにアクセスしたことはありません。パッケージを見れば、調理に必要な調理方法や賞味期限・原材料など、とりあえず必要な情報がわかります。普通の使い方をすれば、それ以上の情報は必要ないからです。また、ついでで記載する以上、検索ワードで見つからなかったというクレームは避けたいものです。ならば、検索ワードよりも絶対アクセスできるURLの方がいいということになります。

 

3が一番大きな要因でしょうか。その次が2のように思えます。現に、私のサイトでは、ヤフーの検索結果の1ページ目に出て来なくなりました。1は、ブログなどを通じて商品により強い興味を持ってもらえるというプラスの効果が期待できるので、要因としては小さいでしょう。

 

そもそも企業サイトは、大企業ほど充実した内容・デザインでなくても、製作するのにそれなりにお金が掛かっています。それだけコストを掛けたのだから、できるだけ多くの人にアクセスして欲しいもの。また、メーカーにとって消費者と接触出来る機会のほとんどは、商品を通じてです。大企業なら、CMやその他広告(雑誌広告やチラシなど)というコミュニケーション手段がありますが、中小企業にとっては、商品を通じてしか消費者と接する機会はありません。(食関連イベントなどに参加すれば、消費者とふれあえることは可能です。)売り場の商品を手に取ってもらえれば、そのパッケージに記載されている言葉やデザインで、消費者に訴えかけることができます。運良く買ってもらえれば、家の中で再びコミュニケーションを取る機会を得られます。その唯一無二のコミュニケーション手段である商品パッケージにURLや検索ワードを記載しなければ、消費者は一生サイトを訪れないばかりか、サイトの存在すら知らないかもしれません。だから、商品パッケージにサイトへの誘導リンクを記載するのは、当然と言えば当然なのです。

 

しかし、実際に記載されたURLをブラウザーに打ち込む人はどの程度いるのでしょうか?わざわざ打ち込んでも打ち間違えれば、行きたいサイトに行けない場合もあります。例えば、味の素のサイトに行こうとして、IE(インターネットエクスプローラー)のアドレス欄にajimonoto.co.jpやajinomote.co.jpと打ちこめば、エラーが返ってきます。(グーグルのChromeでは、エラー画面で味の素のページを提案してくれます。)また、今後アンドロイドの普及などによりグーグル検索の利用が広がったとして、企業サイトへは容易に行けるでしょう。ただ、消費者が求めるのは、特定の商品に関する情報。トップページから商品ページに行くには、特定のリンクを何度かクリックする必要があります。この行為が消費者にとって面倒と思われるかもしれません。商品によっては、商品ページのURLをパッケージに記載しているものもあります。しかし、そのURLは相当長くなり、今度は打ち込むのが面倒になります。URLを打ち込むハードル、商品ページまでたどり着くクリックのハードルは、思った以上に大きいと思います。

 

商品パッケージからウェブサイトへ誘導する目的は、商品についてもっと知ってもらい、商品を好きになってもらって、次も購入してもらうことです。そして、その商品のファンになってもらい、最終的に企業のファンになってもらえれば、言うことはありません。しかし、現状の誘導方法では、最初の関門であるウェブサイトに来てもらうことに失敗しかねません。決して検索ワードがURLよりもいいとは思いませんが、企業が意図するページに直接アクセスできる別の方法があるのではないか、と思います。イメージ的には、ただクリックすればそのページに行ける、ウェブ上のリンクのような仕組みです。

 

☆今日のまとめ☆

加工食品のパッケージに検索ワードではなくURLが記載されるのは、そもそもサイトへの誘導を期待していないから。

また、検索ワードの場合、検索結果の1ページに表示されない恐れがあるため、検索ワードよりもURLが選ばれているのだろう。

ただ、商品パッケージからサイトへ来て欲しいのは、その商品をまた買って欲しいからであり、商品のファンになってほしいからであり、最終的には企業のファンになってほしいからである。

ならば、ウェブ上のリンクのように、企業ページではなく商品ページに直接訪問できる方法が求められる。

 

アメリカのビジネス最新事情メルマガ

今飲んでいるワインのこと知っていますか?

Twitterやっています

FaceBookは現在研究中

 

☆ 今日のこぼれ話☆

9月も明日で終わりか。

早いものだ。

 

 

☆昨日の目標→その結果☆

◎朝6時に起きる→◯

◎毎日情報を発信する→◯

◎毎日仕事以外の人に話掛ける→☓

◎腕立て・腹筋30回→◯

◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→◯

◎部屋や家の掃除をする→☓

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です