三井住友銀行、ポスティングをしてまで投信を販売したい理由とは？

昨日、郵便受けの中に封筒が入っていました。その封筒は透明のフィルムなので、中身は丸見え。発送元は三井住友銀行です。ただ、宛先・切手などがないので、ポスティングしたことは間違いありません。ちなみに、発送した人の名刺が添付されており、私の苗字宛だったので、無差別配布ではなくピンポイントのポスティングです。新聞折込チラシ・ポスティングチラシを集計しているので、日々いろんなチラシを見ているのですが、銀行のポスティングチラシは始めて。（証券会社はたまにあります。）

メガバンクがポスティングをすることに、大きな違和感を抱きました。それは、これまでなかったからです。そこで、ポスティングした理由を考えました。その理由は、

コンビニATM・ネット金融機関の普及により、顧客との接点が少なくなったから。
経費節減のため

ではないでしょうか。

１について、これまでは銀行店舗にあるATMを使う事が多かったので、ATMの脇に投信のチラシを置いておけば、投信の販売につなげることができました。しかし、今は、ATMのある銀行店舗数よりも、ATMのあるコンビニの店舗数の方が多いので、現金の引き出し・振込・預け入れはコンビニATMで済ませる人の方が多いのではないでしょうか。ATMで入出金するついでに、コンビニで買い物ができます。そうなると、銀行店舗ATMの集客力が落ち、ATMの脇に置いていた投信のチラシの効果が下がります。そこで、顧客にチラシを送ったのです。

2については、その送り方。もちろん、郵送することもできました。しかし、郵送するには切手代やメール便代といったコストが発生します。銀行も、その他民間企業同様、経費管理を厳しくしているのでしょう。支店のある六甲アイランド内はポスティング、六甲アイランド以外はメール便を利用したのだと、予測します。

ただ、もう一つ疑問があります。それは、

なぜ、今ポスティングしたのか。

ということ。この一年以内に口座を開設したわけではありません。口座開設から、もう4年ほどが経ちます。それまで、このようなチラシはありませんでした。だから、なぜこのタイミングなのかを考えてみました。その理由は、

円安が進み、外貨建て投資商品を販売するチャンスだから

ではないでしょうか。チラシの内容を見ると、

預金・国債の満期からの再投資を促す
国内の預金金利の低さと海外投資の魅力を強調
為替ヘッジの利点を説明
リタイア後の必要経費を使った投資の重要性を強調

が掲載されてあります。つまり、

為替ヘッジの付いた、外貨建ての投資信託を販売したい

という気持ちがとても表れているチラシと言えます。外貨建ての投資になるので、

円高→損失が発生

円安→利益が発生

となり、円安が進む今がチャンスとなります。だから、このチラシが今配られたのです。

思えば、新聞・テレビ・ラジオなどでは、円安・株高が大きく報じられています。だから、円安・株安は周知の事実と言っても過言ではありません。ならば、このチャンスに金融機関が外貨建て投信を売ろうとしても、不思議ではありません。そして、単なる外貨建て投信ではなく、為替ヘッジを付けることにより、手数料収入・信託報酬を増やすことができます。

マスコミ情報によると、今回の円安は円高トレンドの転換であり、今後当分継続するようです。三井住友銀行のように、この円安を何とかビジネスに活かせないか考えてみると、意外なアイデアが浮かぶかもしれません。

☆ 今日のまとめ☆

三井住友銀行が、外貨建て投信の販売にポスティングチラシを使用。

その理由は、店舗ATMの利用が減り顧客との接点が減ったからであり、また経費削減のためでもある。

また、この時期にチラシを撒いたのは、円安の今は外貨建て投信の販売チャンスであるから。

今後当分続くこの円安を、自社のビジネスに活かせないか考えてみてはどうか。

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☆ 今日のこぼれ話☆

三井住友銀行のチラシには、商品説明は全くありません。

その代わり、「資産運用休日相談会」というイベントの告知がされてありました。

いきなり商品説明をすれば、売り込み臭が強くなり、そのままゴミ箱の捨てられると感じたのでしょうか。