【568号】スターバックスが開拓を進める新たなコーヒー市場とは?

By michperu

 

◎本日のニュース

1)見出し
Seattle’s Best Signs Kiosk Deal With Coinstar
【出典】
http://goo.gl/QSFfB

 

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2)要約
スターバックス社とコインスター社は、全米で
コーヒーの自販機販売を行う5年間の独占契約を締結した。
この自販機はルビと呼ばれ、シアトルズベストブランドの
コーヒーを販売し、レギューラー商品は1ドル、
より手の込んだ高級商品は1.5ドルで販売される。

コインスターは、この契約によって、
長期に渡って販売が低迷しているDVDレンタル用自販機・
レッドボックスへの依存度を下げ、ビジネスを多角化する
ことができる。一方、スタバは、シアトルズベストの
ブランド再構築を進めることができる。

当初は、スーパーやドラッグストアなど量販店という
コインスターが持つ販路に、自販機の設置を進めるが、
大学や病院など新たな販路開拓も行うとされる。また、
このビジネスが成功すれば、契約年数を延長できるとともに、
コインスターは、

米国にだけにこだわらず全世界への進出を目指している。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
Coinstar Inc. and Starbucks Corp. have entered
an exclusive five-year agreement to open several
thousand coffee kiosks in the U.S., brewing cups of
Seattle’s Best brand coffee for $1 a cup.

4)キーとなる英文の和訳
コインスター社とスターバックス社は、
全米で数千にも及ぶコーヒーの販売機を設置する
独占的5年契約を結んだ。
この販売機では、シアトルズベストブランドのコーヒーを
一杯1ドルで販売する。

5)気になる単語・表現
exclusive形容詞独占的な;排他的な
kiosk名詞キオスク(タバコ・新聞・軽食などの小売店)、
電話ボックス;広告塔
brew他動詞(茶・コーヒーなど)を(熱湯を注いで)入れる

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
スターバックス社(Starbucks Corp.)とコインスター社
(Coinstar Inc.)のコーヒー自販機販売における提携が、
この記事では取り上げられている。kioskという単語が
使われているので、単なる「販売機」という意味合いが強い。
しかし、記事中にアメリカでの食品の自販機販売事情が
取り上げられており、またコインスターのビジネスを考えると、
「お金を入れたら、その場でコーヒーが注がれる」
機械を意味するものと思われるので、
「自販機」という表現にした。実際、Googleで
「starbucks coinstar」を検索してみると、
今回取り上げた自販機のイラストを発見することができた。
「自販機」と表現するのが、妥当だろう。
自販機のイラスト入りのサイト http://goo.gl/VMJC6

この提携内容は以下の通りである。

◯5年契約であるが、うまく行けば延長可能
◯コインスターは、他ブランドのコーヒー自販機を設置できない
◯スタバは、シアトルズベストブランドの自販機を独自に設置できない
◯レギュラー品(ブレンドコーヒーなど)は一杯1ドル、
高級品(カプチーノなど)は一杯1ドル50セントで販売

このような提携に至ったのは、

1.強みを活かせる
2.経営課題を解決できる

からである。具体的に見てみると、

【コインスター】
1.強み→自販機の企画・販売、スーパー・ドラッグストアなど
量販店への販路
2.経営課題→長期低迷に悩むDVDレンタル自販機・
レッドボックスへの依存からの脱却、ビジネスの多角化

【スターバックス】
1.強み→コーヒーの企画・販売、シアトルズベストというブランド
2.経営課題→全オーナー時代に毀損したシアトルズベストのブランド再構築

になる。

記事で触れられていたのは以上だが、スターバックスに限って言えば、
もっと大きな目的があるように思える。その目的とは、

量販店が販売するコーヒー飲料市場への参入

ではないだろうか。具体的には、スーパーやコンビニで
販売されるチルドコーヒーや缶コーヒー(アメリカではあまり見ないが)、
コンビニで販売されるその場で注がれるブレンドコーヒーなど、
これまでスターバックスが手付かずであった市場を開拓することが
今回の提携の本当の目的のように思える。

このように考えるのは、スターバックスの歴史を見れば、
そのほとんどが市場拡大を目指しているからである。例えば、

◯店舗やスーパーで販売するコーヒー豆→家庭用コーヒー豆市場への参入
◯インスタントコーヒー・ヴィア→家庭用インスタントコーヒー市場への参入
◯店舗や百貨店で販売するコーヒーギフト→ギフト市場への参入
◯ベーカリーの買収→外食の朝食・昼食市場への本格的参入

など。

さらに、コーヒー飲料市場は、

コーヒーショップの出店・運営よりもコストが低い

ことも、参入への背中を押したのだろう。詳しく述べると、

◯自販機設置の初期投資は小さい
◯集客コストは小さい←集客力のある量販店やその他施設に設置するため
◯運営コストは小さい←人件費がほとんど掛からない

ので、設置・運営にかかるコストが低くなり、
スターバックスの利益率を押し上げる。

しかも、シアトルズベストというブランドの活用・
ブランド価値の向上にも繋がるのだから、一石二鳥どころではない。

それにしても感心するのは、

◯コーヒーという強みを活かす(強みの活用)
◯コーヒーに集中する(選択と集中)
◯コーヒーの販売機会を隈無く獲得する(成長意欲)

というスターバックスの戦略・貪欲さである。

Seattles Best http://www.seattlesbest.com/default.aspx/
Coinstar https://www.coinstar.com/
コインスターに関するブログ記事(日本語)
http://la-consulting.com/wordpress/?p=2020

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《今回のヒントのまとめ》
1)スターバックスとコインスターが、シアトルズベストブランドの
コーヒー自販機展開で提携したのは、両社の強みを活かしつつ
経営課題を解決できるからである。

2)スタバに注目すれば、この提携によって、
これまで手付かずであった量販店が担うコーヒー飲料市場に
進出することができる。

3)さらに、自販機を活用することによって、
コーヒーショップの出店・運営よりも低コストで済む。

4)スタバの、コーヒーという強みの活用、
コーヒー市場への選択と集中、コーヒーの販売機会を
隈無く獲得しようという成長意欲は、見習いたい。

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編集後記
シアトルズベストコーヒーと言えば、
昔よく梅田のお店に行っていました。
無料の無線LANが魅力のお店でした。
そこで、日本のシアトルズベストコーヒーを調べてみると、
大阪にはたくさんお店があるようです。
大阪の会社が出資しているのでしょうか。
また、スターバックスに関する言及がサイトには
全くありませんでした。
日本では競合しているからでしょうか。

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
感謝・感謝・感謝です!

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