LUCE BRAN、元町商店街街歩きガイドの限界と期待
先日、神戸の元町商店街を歩いていると、フリーペーパーのような冊子を見つけました。こちらの冊子、名前はLUCE BRAN(ルーチェ・ブラン)と言って、街歩きガイドになります。
神戸~三宮を歩いていると、この手のフリーペーパーがラックに刺さっているのをよく目にします。神戸はフリーペーパーが本当に多いんですね。神戸のような人口の多い街では普通かもしれませんが、ローカルフリーペーパー(ホットペッパーのような大手企業が作っているのではないという意味)が多すぎのような気もします。収益がどの程度なのか、気になるところ。
話は元町商店街街歩きガイドに戻しますが、よくできています。
◯クーポンを掲載することで、手に取る動機を作っている。
◯オールカラーで見やすい。
◯全店の情報が網羅されている。
◯各店舗の掲載枠が大きく、さらに画像も大きく、大変見やすい。
◯地図が付いているので、お店に行きやすい。
などにより、
元町商店街にたまたま来た人や元町商店街をあまり知らない人が、たまたまフリーペーパーラックでこの冊子を見つけて、手に取る。
→面白そうなお店を見つけて、来店する
という利用から来店までに至るシーンが思い浮かびます。全体的に見やすさを重視されているようなので、老眼の高齢者の方でも十分利用価値があるように感じます。
ただ、残念というべきか限界を感じる部分もあります。それは、
クーポンの利用条件が厳しいお店が多い
という点です。街歩きガイドにクーポンを付けたのは、
- 来店する動機を作るため
- 街歩きガイドの広告効果を測定するため
が目的です。2については、どんな内容でもクーポンを付ければ成功するため、問題はありません。ただ、1については、利用条件が厳しい(厳しすぎると感じるお店もある)ため、来店動機になっているのか、疑問です。例えば、
2000円以上ご飲食の方、10%オフ
1000円以上お買い上げの方、5%オフ
など。レストランならば2000円は大きなハードルにはなりませんが、カフェならば厳しいハードルに感じる人は多いと思います。後者の1000円についても、初めて購入する人にとっては、スイーツであれ和菓子であれ、1000円分買って満足できないのでは、と不安を感じてしまいます。最低利用金額をもう少し引き下げてもいいように思います。
さらに、店舗ごとに利用期限を設けているのですが、「4月末」「5月末」などすでに期限が過ぎたものが多数ありました。元町商店街のサイトをみると、3月16日から配布しているので、ガイドブックの利用価値を高めるためにも、せめて半年はクーポンが使えるようにしてはどうでしょうか。期限が切れたクーポンを見ると、ガイドブックの情報が古いのでは、とも感じてしまい、マイナスです。
ただ、クーポン利用条件や利用期限を厳格に定めているお店の気持ちもわかります。この冊子を持参すれば(一部の店舗では「見た」と言えば)、割引が受けられるので、期間中割引が常態化する恐れがあります。その結果起こるのは、利益率の大きな低下。商店街という単独店(チェーン店ではないという意味)が多いという事情を考えると、この利益率の大幅な低下は、経営にとって大きなマイナスになりかねません。私が店舗経営者ならば、同じような条件・期限を設けるかもしれません。
初回来店者に限ったクーポンを発行することや、クーポン利用者をリスト化して再来店を促せるようにすれば、利益率の大幅な低下を回避でき、また、一時的に利益率が大きく低下しても、リピートを促すことで長期的には大きな利益に結びつけることができます。そのためには、
◯初回来店者を識別できる機能を付ける。
◯クーポン利用者のメールアドレスなどを取得する。
ことができれば、いいかと思います。例えば、
各店舗の枠に独自のQRコードを付けて、そのQRコードから登録してもらい、メールでクーポンを送る
という機能があれば、初回来店者の識別や利用者のリスト化はある程度可能になるのではないでしょうか。単に紙のガイドブックを作るよりもコストはかかりますが、ガイドブックの利用価値を高めて、商店街の長期的な繁栄をめざすためには、必要なコストだと思います。
くどくど書いてきましたが、最後に一点。この手のガイドブックで一番困るのは、
見た後の保管
かもしれません。自宅に保管をしたらいいのかもしれませんが、商店街やショッピングセンターのガイドブックいちいち保管をしていたら、場所が無くなってしまいます。結局、捨てる人が多いのではないのでしょうか。いやいや、
邪魔になるから取るのを止めよう
と思う人もいるかもしれません。
見た後の保管をどうするか?
に関しても、今後フリーペーパーによる提案が求められるのかもしれません。
☆ 今日のまとめ☆
神戸・元町商店街の街歩きガイドは、クーポンの掲載、見やすいレイアウトなど、見る動機作りやお店の情報を伝える工夫が見られる点は、とてもすばらしい。
ただ、クーポンの利用条件や利用期限が厳しい点は、来店動機につながらない恐れがある。
初回来店者の識別やクーポン利用者のリスト化ができれば、店舗側・利用者側双方にとって利用価値が高まるだろう。
コストはかかるが、紙の媒体にITを絡ませることで可能になるかもしれない。
アメリカのビジネス最新事情メルマガ
今飲んでいるワインのこと知っていますか?
WSJメルマガからスピンアウトした英単語サイトです。
Twitterやっています
FaceBookはほぼ引退しました
Tumblr本格的に始めました
☆ 今日のこぼれ話☆
元町商店街の街歩きガイドを見て感じたことは、喫茶店がとても多いということ。
喫茶店のスタンプラリーなどをしても、面白いかもしれませんね。
☆昨日の目標→その結果☆
◎朝6時に起きる→◯
◎毎日情報を発信する→◯
◎毎日仕事以外の人に話掛ける→☓
◎腕立て・腹筋30回→◯
◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→◯
◎部屋や家の掃除をする→☓
◎営業日誌を付ける→☓