スターバックスが住宅街でコーヒーを450円で売る理由とは?
※こちらはスペインのスターバックスであり、記事とは関係ありません。
先日の日経新聞に、スターバックスに関する興味深い記事が掲載されていました。
スターバックスコーヒージャパンはコーヒーの価格が従来より約2割高い新型店を出す。くつろげる雰 囲気の店内では焼きたてのパンやアルコールも提供する。東京や大阪など大都市の住宅街に出店し、近隣に住む中高年層や主婦の需要を掘り起こす。数年内に 30店程度に増やす計画。同社の店舗数は約1000に達しており、都心部のほかにも出店場所を広げて安定成長を目指す。(2013年5月10日付 日経新聞朝刊)
スタバが住宅街に店舗を出店するそうです。ブランド名は、「インスパイアド・バイ・スターバックス」。この特徴・通常店舗との違いをまとめると、次のようになります。
【インスパイアド・バイ・スターバックスの特徴】
[1] 住宅街に出店
[2] コーヒー価格は従来よりも約2割増
[3] 焼きたてパン・アルコールも提供
[4] ターゲットは中高年や主婦
[5] 店舗規模は通常店よりも3割小さい
第一号店は、東急田園都市線二子玉川駅から徒歩10分の場所で、高級住宅街になります。コーヒーの価格は450円。一杯ずつ豆を挽いてくれるようです。従来店では、仕入れたパンを販売していたのですが、今回は店内で焼き上げます。ワインやビールなどを注文することもできます。
そこで、スタバが住宅街に進出した背景を考えました。
【スタバが住宅街に店舗を広げる背景】
[1] 都心部での競争激化
[2] リタイアしたシニア層の増加・都心部で働くサラリーマンの減少
1については、記事でも述べられています。都心部では、好立地の出店余地が減少しているとのこと。これは、実際に主要駅近くを歩くと、実感しますね。なんせ、駅前にはファストフード・ドラッグストア・小型スーパー、そしてカフェと、いろんな小売・飲食チェーンが出店しています。だから、なかなか好立地の物件を獲得できないのでしょう。そして、いざ獲得をしようとしても、家賃は高騰。これでは、家賃コストがかさみ、ビジネスの旨味が損なわれます。だからこそ、スターバックスは、競争がさほど激しくない、住宅街に注目したのだと思います。
2については、記事では述べられておらず、私の見解。高齢者の増加とは、つまり定年を迎えた人の増加。このリタイアしたシニア層が増えれば、従来出勤していた都心部での活動者が減少し、一方地元で活動する人が増えるわけです。この地元を行動範囲とする人の今後の増加に着目して、スターバックスは住宅街に出店を進めるのではないでしょうか。
都心部での店舗ビジネスは、競争が激しいとともに、ビジネス客の減少の悪影響を今後受けるように思えます。一方、リタイアしたシニア層の増加は、住宅街での支出増加につながるので、住宅街の魅力が今後増すのではないか、と私は予測しています。
☆今日のまとめ☆
スターバックスの住宅街進出からわかることは、住宅街の魅力。
その背景には、リタイアしたシニア層の増加がある。
マーケティング・ビジネスのヒントに関するブログも書いています
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
思えば、スターバックスには久しく行っていません。
特に嫌いというのではないですが、商品と価格のバランスを考えると、ドトールの方が私にとっては上ですね。
スタバは少し高いと。
でも、あれだけ混んでいるので、それはスゴイと思いますよ。