マルタイ皿うどんが100円以下で特売される原因とは?
最近ふと感じることが、マルタイ皿うどんの安売りが増えたということ。98円で販売されていることがよくあります。先日もグルメシティ(ダイエー系スーパー)のチラシに、98円のマルタイ皿うどんが目玉商品として掲載されていました。
マルタイ皿うどんと言えば、多くのスーパーで販売されている皿うどんの定番商品です。そして、これまで特売されることがあっても、100円以下で販売されることは、ほとんど無かったかと思います。100円以下で販売される皿うどんは、大抵PB商品であり、100均のPBと差別化しているように感じました。そのマルタイ皿うどんが98円で頻繁に特売されるということは、売れ行きが悪化したからに他ならないでしょう。そして、マルタイ皿うどんの売れ行きが悪化したのは、100円以下で販売されるPB商品に市場を奪われたからでしょう。つまり、皿うどん自体が100均商材に成り下がったことになります。
100均商材に成り下がったということは、価格以外の魅力が薄れたということ。そこで、皿うどんに価格以外の魅力が薄れた原因を考えてみました。
【皿うどんに価格以外の魅力が薄れた原因】
[1] いつ食べるかわからないから
[2] 調理が面倒そうだから
[3] 美味しいかどうかわからないから
[4] 他に食べたい物があり買う必要がないから
1について、買う動機が無ければ、売ることは大変難しくなります。皿うどんを食べる時は、いつなのか。朝食ではないので、昼食か夜ご飯になります。でも、昼食に皿うどんを食べた機会は、どれほどあるでしょうか。夜ご飯に皿うどんを食べる機会は、どれほどあるでしょうか。かなり少ないかと思います。この食べた経験の少なさが、「皿うどんをいつ食べればいいかわからない」につながるのだと思います。
2について、一度作った人なら、だいたいの調理方法はわかりますが、作ったことがない人にとっては、ちょっと難しそうに感じます。この「難しそう」こそが、最近の消費者に強く利便性ニーズに大きく反するので、購入につながらないのだと思います。
3について、これは1にも通じますが、あまり食べたことない料理について、美味しいかどうかもよくわかりません。美味しさがよくわからない料理を買うハードルは、とても高くなります。
4について、外食を通じた様々な料理体験により、好みの食事はどんどん増えていきます。この中に皿うどんが入ればいいですが、皿うどんを提供する飲食店はほとんどありません。この食べる機会の少なさが、皿うどんの大好物になる確率を小さくする一方で、他の料理はどんどん大好物としてノミネートされていきます。この不利な状況が、加工食品である皿うどんの販売にマイナスに働くのです。
では、どうすればいいのか。皿うどんが100均商材になったのは、マルタイだけの責任ではありません。皿うどん自体に知名度・魅力を感じる人が少ないことこそ、大きな問題なのです。そこで、皿うどんの知名度・魅力を上げるために、次のような売り方をしてはどうでしょか。
【皿うどんの販売提案】
[知名度アップ]競合商品をラーメン・焼きそばに設定→チルドのラーメン売場で販売する
[魅力アップ]長期保管・簡単調理・割安感をアピール→賞味期間・調理時間・方法をPOPで強調、切った野菜・肉をセット販売
競合を人気料理のラーメン・焼きそばに設定するには、ラーメン売場で販売するしかありません。そのラーメン売場も即席麺の売り場ではなく、チルドの売場です。その理由は、チルドラーメンと同じく調理が必要だから。売場を変えるだけで、露出も大きくなり、価格を下げずとも売上は上がるのではないでしょうか。
次に魅力アップ方法ですが、チルドラーメンや焼きそばにない魅力と言えば、長期保管が利くという点。保存食としての魅力です。そして、先述した調理の面倒さを解消するために、皿うどんに必要な野菜や肉をカットした状態でセット販売するのです。これで、調理の不安が解消することでしょう。
結局、一番大きな問題は、皿うどん自体の知名度の低さ。その解消には、売場変更が欠かせないと思います。
☆今日のまとめ☆
マルタイ皿うどんが100円以下で特売されることが多くなったのは、100円以下で販売されるPB商品にシェアを奪われたからであろう。
そして、皿うどん自体の知名度の低さが、100均商材に成り下がった要因とおもわれる。
知名度を引き上げるには、売場変更が欠かせないと思う。
マーケティング・ビジネスのヒントに関するブログも書いています
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
個人的には、皿うどんは夜ご飯としては欠かせない存在。
自宅には、1~2袋常備しています。
簡単にできる割に、野菜もいっぱい食べられるので本当に便利ですよ。
そして、ついついビールが進んでしまいますね。