阪急オアシス神戸旭通店が教えてくれた、小さいという見逃された魅力とは?
阪急オアシス神戸旭通店については、まだまだ書きたいことがあるので、今回も取り上げたいと思います。
【阪急オアシス神戸旭通店で発見したこと】
阪急オアシス神戸旭通店分析、店内レイアウトをスーパーの定石と真逆にした理由とは?
今回取り上げたいのは、
店舗が小さい
という魅力について。店舗の大きさは、品揃えに影響を与えるので、大きいほどいいと一般的には考えられますが、そうとは思えません。というのは、大規模店舗には次のようなデメリットがあるからです。
【大規模小売店のデメリット】
[1] 買い物に時間がかかる
[2] それなりの集客ができなければ閑散とした売場に成り下がる
1は、消費者の時短ニーズに関わることです。前回の記事で詳しく述べています。2については、今回阪急オアシス神戸旭通店にて実感したことです。その日は特売日とあり、さらに夕方という買い物時間にあたることもあり、かなり多くの来店客で賑わっていました。お店のレイアウトの影響もありますが、その光景はまるで市場(ヨーロッパで言うマルシェ)のよう。この賑わいが、楽しさとともに買い物意欲を掻き立ててくれるのです。この賑わいを生み出した大きな要因は、店舗規模の小ささ。もし、住宅街や郊外にあるような大規模スーパーなら、このような賑わいは生まれなかったと思います。
大規模店舗のデメリットを特に感じるのは、郊外型の家電量販店。そのほとんどが、大規模店舗なのですが、平日のみならず週末も売場は閑散としています。それだけ集客できていないという証拠ですが、店舗規模が大きすぎるという要因の方が大きいのではないでしょうか。
確かに、大規模店舗にしなければ品揃えを豊富にできず、かえって集客できないという、考えもあるかと思います。しかし、実店舗で品揃えを増やしたからといって、空間に制限のないネット通販に適うはずがありません。品揃えでは、ネット通販に太刀打ちできないのです。消費者の時短ニーズの高まりをより重視して、品揃えよりも買い周りしやすさを優先した方が、より集客できるのではないでしょうか。
小型スーパーは、総菜の廃棄などの問題で、なかなか収益を上げにくい業態。阪急オアシス旭通店も、実際に想定する利益を出せるかは不明です。だからこそ、消費者の時短ニーズに沿うとともに、楽しさを生み出せる小型スーパーで成功すれば、スーパー業界において競争優位に立てるのではないでしょうか。
☆今日のまとめ☆
面積の小さな店舗は、豊富な品揃えを持てないというデメリットがある。
一方で、買い物時間を短縮できる点や賑わいを演出できる点というメリットもある。
時短ニーズ・楽しさへのニーズが強いことにより、後者のメリットの重要性が増しているのではないか。
マーケティング・ビジネスのヒントに関するブログも書いています
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☆ 今日のこぼれ話☆
コンビニのスーパー化(生鮮品の販売など)が進む一方で、スーパーのコンビニ化(小型化)が進むんでしょうね。