ドン・キホーテがポスティングチラシを入れた理由とは?

ドン・キホーテのキャラクター

by courtesy of Michael

先日、夕刊と一緒に見慣れないチラシが入っていました。しかも、新聞に折り込まれていなかったので、折り込みチラシではないようなのです。それは、ドン・キホーテのチラシ。

 

新聞とは別に入っていたのですが、もしかしたら新聞配達と一緒に投函された可能性があるので、新聞販売所に確認してみました。すると、やはり折り込んでいないとのこと。販売所によると、一部例外を除いて、夕刊には折り込みチラシを入れないようです。

 

ということは、このドン・キホーテのチラシは、ポスティングされたことになります。他店舗展開する大手量販店が、ポスティングチラシを入れることは、ほとんどありません。大抵、ポスティングチラシを入れるのは、不動産会社やピザなどの宅配業者・水道修理業者などの、FC(フランチャイズ)を含む地元企業。ちなみに、ドン・キホーテには、FCはありません。大手量販のドン・キホーテが、チラシをポスティングした理由には、何か理由がありそうです。

 

そこで、ドン・キホーテの既存店月次売上高を調べてみました。

 

【2013年6月期ドン・キホーテ既存店売上高】

[既存店売上高]7・10・12・1・2・4月以外は前年比プラス

[客数]7・8・9・10・12・1・2・4以外は前年比プラス

[客単価]7・12・4月以外は前年比プラス

※2012月7月~2013年6月

ドン・キホーテ2013年6月期上期月次実績

 

ドン・キホーテ2013年6月期下期月次実績

 

既存店売上高は、それほど良くもなければ、悪くもありません。(プラス半分、マイナス半分)ただ、スーパー・コンビニの既存店売上高が振るわないことを考えると、比較的いい結果だと言えるでしょう。そして、既存店売上高が良かった要因は、客単価が総じてプラスで推移したからであり、客数は減っています。

 

この実績から、ドン・キホーテがポスティングチラシを入れたのは、

 

客数を増やしたいから

 

であると推測できます。さらに、過去2年とも8月は客数が減少しているので、集客のテコ入れという目的もあると思います。

 

ならば、例年8月にチラシを入れてもいいはずです。2011年よりチラシの集計を行なっていますが、過去2年間の7・8月にドン・キホーテのチラシが入ったことはありません。では、なぜ今年だけ入れたのか。恐らく、

 

景況感が回復しているので、チラシによる集客効果が見込めやすい

 

と判断したからではないでしょうか。また、客数は減っているものの、客単価が上がっているということは、高額商品が売れているということです。チラシを見ても、片面は、夏のレジャー商品とフィットネス商品・家電・高級ブランド品で占められています。高額商品を売ろうという気が満々なのです。8月と言えば、ニッパチ(2・8)と言われ、小売店の閑散期。この時期を、景況感の回復を追い風に、客数増・客単価増で売上拡大を図ろうとしているのです。

 

当初、景況感が回復すると、ドン・キホーテのようなディスカウント業態は、逆に売上が低迷すると予想していました。しかし、実際には既存店売上高は伸びています。ディスカウント業態にも、アベノミクスの恩恵が及んでいるようです。ドン・キホーテは、ポスティングチラシを入れることで、この恩恵をさらに大きくしようとしているのです。高額商品は、本当に動いているのですね。

 

☆今日のまとめ☆

ドン・キホーテがポスティングチラシを入れたのは、減少傾向の客数をテコ入れするため。

高額商品が売れているので、チラシで集客を大きくできれば、減少しかねない8月の売上を拡大できる。

ディスカウント業態にも、アベノミクスの恩恵は及んでいる。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

ちなみに、自宅から最寄りのドン・キホーテへは、自動車がなければ行けません。

六甲アイランドに、それだけ自家用車を持つ人が多いということでしょうか。

ドン・キホーテがポスティングチラシを入れた理由とは?” に対して1件のコメントがあります。

  1. 小川洋次郎 より:

    2019/11/8に大阪で全日本ポスティング協会の講演会を予定しておりまして、
    講師を探しております。高尾様のメルマガを拝見させていただきまして、
    ポスティングについて50分ほどご講演頂くことは可能でしょうか。
    色々なポスティング事例や将来の展望などお話を頂ければ幸いです。
    大変申し上げづらいのですが謝礼金は5万円しかご用意できません。
    なお、最終的な決定は複数の講師候補を弊会で協議した後ということになります。

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