主婦が通う茅乃舎(かやのや)とカップルで賑わうサンクゼール、購入確率の違いをもたらすものとは?
※茅乃舎オフィシャルサイトより
グランフロント大阪のウメキタセラーには、飲食店と食品小売店が集積しています。その中で対照的なのが、出汁がメインの茅乃舎(かやのや)とジャムがメインのサンクゼールです。その違いをまとめると、次のようになります。
【茅乃舎とサンクゼールの相違点1】
[客層]
茅乃舎→女性、特に主婦が多い。
サンクゼール→カップルが多い。
[商品]
茅乃舎→出汁など和風調味料がメイン。
サンクゼール→ジャムやパスタソースなど洋風嗜好品がメイン。
そして店内を見渡すと、次のような違いも見出せます。
【茅乃舎とサンクゼールの相違点2】
[集客と売上]
茅乃舎→来店客の多くが商品を購入
サンクゼール→来店客の一部が商品を購入
集客とそれによる購入が全く違うように感じるのです。茅乃舎に来店する人は、どちらかというと目的を持って来店。つまり、何かしら買う商品を決めて、来店しているのです。だから、いろんな商品の試食もしますが、最終的には目当ての商品を購入します。だから、主婦らしき女性が多いのでしょう。一方、サンクゼールは、購入目的もなしにふらっと来店している人が多いように感じます。ジャムやパスタソースなど多くの商品を、自由に試食できるからでしょうか。だから、カップルの来店が多いように感じます。デートコースとしての利用であり、購入を目的としていないので、購入する来店客は少ないのです。
このような違いが生まれるのは、取扱商品の特性が違うからではないでしょうか。
【茅乃舎とサンクゼールの商品特性と購入特性の相違点】
[茅乃舎]出汁→リピート購入する確率が高い
[サンクゼール]ジャム→リピートよりも別のブランド・種類を試す確率が高い
出汁は和食の基本となる味を決めるもの。だから、その味を気に入れば、なかなか変え難いものです。その結果、リピート購入が期待できます。だから茅乃舎は、リピート目的の顧客の来店が期待できるのです。一方、ジャムは、味そのものを楽しむもの。出汁のように料理の基礎となる調味料ではありません。毎回同じ商品だと、飽きるのです。だから、一度食べて気に入っても、別のブランドや種類を試す確率が高くなります。よって、サンクゼールは、ジャムのリピート購入がなかなか生まれず、常連客が出来にくいのではないでしょうか。
この商品特性の違いが、リピートの違いを産み、集客が購入に繋がる確率の違いをもたらしているのだと思います。
☆今日のまとめ☆
茅乃舎はリピート購入をしやすい出汁をメインに取り扱っているから、集客が売上に結びつきやすい。
一方、サンクゼールは、リピート購入されにくいジャムをメインに扱っているからこそ、集客がなかなか売上に結びつかない。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
茅乃舎は、神戸大丸など百貨店にも出店しているのですが、グランフロント大阪は特別混んでいます。
グランフロント大阪の集客力の高さも要因ですが、ユーザー層が合致していることも影響しているかもしれません。