ブックオフ業績悪化と消費者ニーズ・スマホの関係

ブックオフ店舗

前回はブックオフコーポレーションの大幅減益と中古品販売のビジネスモデルについて述べました。次に気になるのは、ブックオフの大幅減益の要因です。容易に推測が付くのは、

アベノミクスで景況感が向上したのに伴い、中古品よりも新品が売れるようになったから

という要因。懐事情がよくなれば、中古品よりも新品に目が向かいがちなもの。ならばアベノミクスは、ブックオフのような中古品販売企業にとって、大きな逆風になります。

そこで、同じ中古品販売ビジネスを行う上場企業・ハードオフコーポレーションの四半期業績(補足PDF)について、調べてみました。結果は、増収増益。FC契約の破棄などにより、店舗数の拡大は予定よりも遅れているものの、既存店売上は好調なので、消費者の支持は受けているのです。既存店売上の減少に悩むブックオフとは対照的です。

なので、ブックオフの業績悪化とアベノミクスの関係は、さほど強くないことがわかります。少しあったとしても、ブックオフの業績悪化の要因は、ブックオフ固有の問題と捉えた方がいいようです。

そこで、ブックオフの業績悪化の要因について、改めて考えてみたいのですが、前回少し触れたように、

ネット通販との競争激化

が一番の要因と考えられます。実際、ブックオフのネット販売は伸びているので、中古本購入が店舗からネットにシフトしていることは、間違いありません。アマゾンマーケットプレイスが、ブックオフ店舗売上を奪っているのでしょう。

では、中古本という商品によって状態が異なる商品を、実際に見て確かめずに、なぜネットで購入するのか。その答えは、

店舗よりもネットで探す方が簡単だから

に他なりません。要は、商品の良し悪しよりも、利便性の高さが優先されているのです。スマホがここまで普及すれば、いつでもネットで中古本が買えるわけだから、来店する人が少なくなるのは当然。さらに、来店しても、目当ての本がある保証がないわけで、そんなリスクを取る人がめっきり減るのは至極当然なのです。

ブックオフの業績悪化は、スマホでのアマゾンマーケットプレイスの利用者増の影響であり、今後さらにその悪影響は増幅する可能性はあるのです。ブックオフが中古のアパレルや雑貨などを販売するリユース事業に力を入れる理由がよくわかります。

 

☆今日のまとめ☆

ブックオフの業績悪化は、アベノミクスによる新品へのシフトが要因ではない。

スマホでのアマゾンマーケットプレイス利用者増が一番の要因ではないか。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

昔たまにブックオフに行くことがありましたが、今ではめっきり減りました。

そして、六甲アイランドの店舗も数年前に閉店しました。

ブックオフは、それなりに大きな商圏が必要なのかもしれません。

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