三越伊勢丹に1万円おせちが登場した理由とは?
by courtesy of Barron Fujimoto
※三越伊勢丹のおせちではありません
1月6日号の日経ビジネスに、三越伊勢丹のおせちに関する記事が掲載されていました。この記事で初めて知ったのは、おせちという商材の特徴です。
【おせちという商材の特徴】
[1]リピート率が高い
[2]毎年客単価が上昇する傾向がある
上記のような特徴があることを、全く知りませんでした。おせちと言えば、1万円以上もする、食品にしては単価の高い商品。季節の商品であり、日本人なら大抵の人は食べる商品だからか、高くても売れます。クリスマスケーキも同様の特徴があります。それだけでも、百貨店やスーパーや通販サイトが売る理由になるのですが、上記の特徴を考えれば、扱わない方がおかしいと言っても過言ではありません。一度購入してもらえれば、毎年購入してもらえる可能性が高くなり、さらに毎年より高い商品が売れるので、集客数を最大化できれば、毎年おせちの売上は増加することになります。例えて言えば、食品版の携帯電話サービスでしょうか。一度契約してもらえれば、毎年購入してもらえるからです。
ならば、何とかして一度購入してもらおうと、販売店は考えるもの。そこで三越伊勢丹が発売したのが、1万円おせち。3万円前後からが普通の百貨店おせちにしては、格安の商品です。内容は知りませんが、恐らく料亭などの監修ではなく、内容量も小さいのでしょう。しかし、品質(おいしさ)に納得してもらえれば、翌年よりグレードの高い商品を購入してもらえる可能性は高まります。これを期待して、三越伊勢丹は、客単価下洛のリスクを冒してまで、1万円おせちを発売したのです。
商品に自身があるなら、購入ハードルを低くすることは、とても有効です。ただ、一つ気になるのは、単価の低い商品を購入してもらった人に、どうやって単価の高い商品を買ってもらうか。おせちは幸いにも、毎年単価が上昇するという長所を持ちますが、大抵の商材は、どちらかというと単価は下がる傾向にあります。単価を引き上げる仕組みは、勉強する価値がありそうです。
☆今日のまとめ☆
おせちは、リピート率が高く、単価が上昇する傾向がある。
だから、新規顧客獲得は、大きな意味がある。
そこで三越伊勢丹がぶつけたのが、1万円おせち。
単価が下がるリスクを冒してでも、購入ハードルを低くして、新規顧客を獲得したい意気込みを感じる。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
これまでいろんなおせちを食べてきましたが、やっぱり自家製が一番ですね。
おせちを手早く作るキットが売られる日も近いかもしれません。