【値上げ考】マクドナルドから学ぶ、値上げの難しさ

ビックマックの期間限定価格by courtesy of Nemo’s great uncle

マクドナルドの原田社長が、持株会社の社長も退き、会長になるようです。さらに、日経新聞のインタビューに拠れば、会長も最長一年間で、他業界への転じる予定だそうです。

そのインタビューの中で、原田さんの功績と失敗が述べられていたのですが、その中で値上げについても触れられていました。値上げについては知っていますが、値上げ回数はなんと4度にも及んだようです。原田さんが値上げを行ったのは、ビックマックの価格を日本以外のマクドナルドと比較すると、日本が一番安かったから。これはおかしいと思い、価格改定を実施したとのこと。そして、私は、この値上げの実施から、マクドナルドの業績が悪化したのではないか、と思うのです。

マクドナルドが行った値上げは、すべての商品を値上げするのではなく、大部分の商品価格を引き上げ、一部商品は値下げするというもの。これにより、セット料金が値上げになり、客単価が引き上がります。一方、100円マックの一部をそのままの価格で販売することで、客数の大幅減少を回避しようとしました。しかし、実際に起こったことは、割安感が魅力で利用していた顧客の店離れと、100円マック目当ての学生の増加です。

【マクドナルドの値上げによって起こった顧客の変動】

[減少]割安感が魅力で利用していた顧客

[増加]100円マック目当ての学生

学生が増加したのは、来店客数が減少し、自由に使えるスペースが増えたからではないでしょうか。マクドナルドに利益をもたらすセットメニューを注文していた社会人が減少し、一方で空いたお店で安く騒げることをいいことに、学生が増加。だからこそ、マクドナルドが、以前と比べてうるさくなったのだと思います。その結果、騒々しい店内を嫌い、さらに社会人の店離れが進んだのではないでしょうか。

コンビニなどの競合の出現もマック失速の要因ですが、4度にも渡る値上げもマクドナルドを窮地に陥れたのだと思うのです。そして、マクドナルドの値上げは、単純値上げ。旧来の商品クオリティをそのままに、価格だけ引き上げるという方法です。これでは、顧客が割高感を抱いても仕方ありません。そこでマクドナルドは、平日のランチタイムだけの格安バリューセットを導入しました。しかし、逆に、平日のライチタイム以外に注文すれば、損をした気分になり、平日のランチタイム以外の集客にはマイナスに働いたことが、容易に推測できます。一方の平日ランチタイムも、セット価格を値下げしたことにより、店内が混雑し、思ったほど売上は伸びなかったのかもしれません。

マクドナルドの値上げから学べることは、単純値上げの難しさ。メニュースペックをそのままにして価格だけ上げると、割高感から顧客離れを起こすリスクが生じます。その結果、客数が減少に転じ、蟻地獄のようになかなか抜け出せないようになるのです。だからこそ、ファミレス各社は、消費増税の際、単純値上げではなく、メニューまるごと変えるのです。

☆今日のまとめ☆

マクドナルドの客数減は、単純値上げが元々の要因ではないか。

単純値上げにより、割安感が魅力で利用していた顧客が来店しなくなり、一方で100円マック目当ての学生の利用が増加。

その結果、店舗が騒々しくなり、社会人の店離れを加速させたのではないか。

単純値上げは、客数減少の引き金になるリスクがある。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

ちょっと足を休めたい時に、昔はマクドナルドを利用していました。

ただ、最近はうるさいというイメージが強く、ドトールなどのカフェの利用が増えたような気がします。

 

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