ブランド・ショップを使い分ける消費行動の影響とは?(その1)
日経MJに大変興味深い記事がありました。
女性のファッションの選び方に変化の兆しが見えてきた。これまではコンサバ、フェミニンなどおおむね同じテイストの服を着ていたが、その時々の気分や状況 によって異なるテイストの服を身にまとう「変身現象」が起きているのだ。なぜ女性たちは日常的に変身するようになったのか。それに対し、企業はどのように アプローチしているのか。最新事情を探った。
(2014年7月30日付 日経MJ)
要約すれば、一つのアパレルブランドで揃えていた消費者が、複数のブランドにまたがり買い物をするようになったということ。これは、一人の消費者の中で起こっていることです。例えば、これまでポール・スミスでしか服を買わなかった人が、ポール・スミスでも買うしユニクロでも買うようになった、ということです。
この消費行動の変化には、
単価の下落
ショップの増加
という外部環境の変化が影響していることでしょう。ファストファッションなど低価格でおしゃれなアパレル品が増えたお陰で、所得が増えなくても、いろんな商品を購入できるようになり、買いまわりが可能になったのです。また、SC(ショッピングセンター)など複数のショップが一箇所に集まる商業施設が増えることにより、気軽に買いまわりできるようになった点も見逃せません。例えば、これまで東京でしか買えなかったブランドが、地方のSCにも登場したことにより、これまで仕方なく一つのブランドで揃えていた消費者は、他のブランドで買いまわることが可能になった、と考えられます。
同様のことは、食品や飲食店でも起こっているのではないでしょうか。つまり、複数の業態を使い分けるようになったということです。食品では、TPOにより、デパ地下や高級スーパー、輸入食料品店(カルディなど)、コンビニ、そしてスーパーを使い分けるということです。飲食店に関しては、比較的昔から使い分ける人が多かったものの、最近では高齢者(シニア層)でもカフェやファストフードを使っている人をよく見かけるので、複数の業態を使い分ける人が増えたと捉えることができます。
このように、アパレル・食品や飲食店(グルメ)で複数のブランド・業態を使い分ける消費が増えているからこそ、人口が減少している中でも、複数のブランドを一箇所に集めたSCやショッピングモールの建設が増えているのでしょう。
次回は、この複数のブランドを使い分ける消費行動によって、企業がどのような影響を受けるかについて、述べたいと思います。
☆今日のまとめ☆
アパレルやグルメ関連では、複数のブランドを使い分けるという消費行動が増えている。
だからこそ、複数のブランドを一箇所に集めたSCが増えているのだろう。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
若者向けのように見えるカルディですが、意外に年配の方も多いです。