ファミリーマートが品揃えを増やすのは、セブン-イレブンとのガチンコ勝負を避けるため?
by courtesy of Andrew Buckingham
ファミリーマートが品揃えを増やすようです。
ファミリーマートは2013年度中に全店の商品数を3割増やす。標準的な大きさの店舗で商品数を 3700品目とし、女性客の需要を見込む調味料や洗剤、プライベートブランド(PB=自主企画)を拡充する。コンビニエンスストア大手で最多の品ぞろえと なり、都市部を中心に競合するミニスーパーなどの顧客も取り込み、課題となっている既存店の客数の底上げを狙う。(2013年8月21日付 日経新聞朝刊)
その目的は、女性獲得のためです。ただ、女性全般ではなく、
働く女性
に注目しているのではないでしょうか。そう感じるのは、セブン-イレブンとガチンコ勝負しても勝ち目はない、と思うからです。
実際、店頭に並ぶ商品のコスパを見れば、セブン-イレブンが一番高いように感じます。牛乳や納豆などの購入頻度の高い商品だけでなく、買う機会の少ないコーヒーフィルターなども、セブン-イレブンのPB商品が一番お買い得です。セブン-イレブンがこのような魅力的な値付けができるのは、同じグループに、スーパーを持っているからに他なりません。一方、ファミリーマートには、スーパーがありません。だから、構造上、セブン-イレブンほどのお値打ち価格を打ち出せないのです。だから、働く女性をターゲットにすることによって、
お気に入り商品の
買い物時間を節約できる
というメリットを提供するし、スーパーから市場を奪おうとしているのだと思います。
獲得を目指すターゲットに関して言えば、三大コンビニチェーンには大きな違いがあります。
【三大コンビニチェーンの注目ターゲット】
[セブン-イレブン]シニア層←ノスタルジーを感じるCMや和スイーツ重視など
[ローソン]シニア層←素材にこだわった弁当やウチカフェのあんこやシリーズなど
[ファミリーマート]働く女性←品揃え重視や無印良品の商品など
このようにファミリーマートは、獲得を目指すターゲット層を明確に差別化することで、セブン-イレブンとのガチンコ勝負を避けているのではないでしょうか。この結果、ファミリーマートの競合は、セブン-イレブンというよりもカルディファームになるかもしれません。
今回の新聞記事にも興味深い数字が掲載されていましたので、ここにメモしておきます。
【コンビニに関する数字】
[品目数]ファミリーマート3700(今回の増加後)、セブン-イレブン2800、ローソン2900-3000、マルエツプチ(都心型ミニスーパー)3500
[売場面積]ファミリーマート140,セブン-イレブン130、ローソン160、マルエツプチ200(単位は平方メートル)
[ファミマのPB品目]300(12年度末)→500-600(13年度末)
[ファミマに関する数字]12年度の女性客比率45%(同業各社を上回る)→50%目標、女性客は男性客よりも1-2割購入金額が高い
☆今日のまとめ☆
ファミリーマートは、品揃えを増やすことで、働く女性の獲得を目指しているのではないか。
そうすることで、シニア層に注目するセブン-イレブンとの競合を避けることができる。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
ローソンがおはぎの扱いを始めました。
しかも、とても美味しそうなパッケージ。
売れそうですね。