ローソンの成城石井買収、大企業が恋焦がれる中堅企業の特徴とは?
成城石井の買収先が、ローソンに決定したようです。
コンビニエンスストア大手のローソンは30日、高級スーパーを展開する「成城石井」を三菱商事系の投資ファンド、丸の内キャピタル(東京)から買収すると発表した。ローソンとしては過去最大の買収案件で、負債を含めた買収額は550億円程度。10月31日に完了する。(2014年10月1日付 ヤフーニュースーSankeiBiz)
イオンは無いにしても、三越伊勢丹は同じ高級路線だけに可能性はありと見ていました。ローソンは成城石井を傘下に収めることにより、スーパー事業に本格参入できることになります。スーパー業態であるローソンマートに、成城石井ブランドの商品が並ぶことはほぼ間違いないでしょう。
この買収事案を聞いて感じたのは、
大企業と中堅企業のM&A・提携はブーム
ということです。同じような事例は、キリンとヤッホーブルーイングの業務提携。キリンがビール2位の一部上場大企業であるのに対し、ヤッホーブルーイングは地ビール大手の中堅企業。ローソン・成城石井の案件と、ほぼ同じ。
【大企業と中堅企業の提携・M&A】
- 大企業のローソンと中堅企業の成城石井
- 大企業のキリンと中堅企業のヤッホーブルーイング
ただし、大企業が求める中堅企業にも共通点があります。それは、
強固なブランド力があること
です。別の言い方をすれば、
高くても売れる商品・ブランドを持っていること
となるでしょうか。決して、有名ブランドを持つだけでもなく、業績がいいだけではありません。「高くても売れる」ノウハウを持っているからこそ、大企業は大金を掛けてでも手に入れよう(提携しよう)と思うのです。そのため、大企業側の姿勢は、かなり謙虚。ローソンは、成城石井の大量出店を進めるのではなく、既存路線を踏襲するとしています。キリンに至っては、これから参入する地ビール事業において、ヤッホーブルーイングから教えを請うという低姿勢。ここまで謙虚になるほど、大企業にとっては欲しいブランド・企業だったのです。
もちろん、この背景にあるのは、
好きなブランド・商品に対しては、高くても買う
という消費行動。大企業と、「高くても売れる」ブランド・商品を持つ中堅企業の提携は今後も続くのではないでしょうか。
☆今日のまとめ☆
ローソンによる成城石井の買収と、キリンとヤッホーブルーイングの提携は、実に似ている。
大企業と、強固なブランド持ち高くても売るノウハウを持つ中堅企業との提携である。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
- 今日のこぼれ話☆
ローソンに成城石井ブランドの商品を販売し、高級品のあるコンビニとしてセブンとの差別化を図るのでしょう。