サンマルクカフェのデニブランが戦略的だと思う理由
久しぶりにサンマルクカフェに行きました。比較的安価にコーヒーが飲めるカフェなので好きなチェーンですが、如何せん混んでいます。店舗もスタバほどなく、大抵中心駅周辺なので、立地の良さも支持を受けているのでしょう。ちなみに、親会社のサンマルクホールディングスの株価も堅調に上昇しています。好業績ですからね。
この好業績を裏付けるメニューをサンマルクカフェで発見しました。それは、デニブラン。デニッシュの上にバニラソフトクリームを載せて、キャラメルソースを掛けたデザートメニューです。
店頭の大きなポスターにも掲載するぐらい、サンマルクカフェは販売に力を入れている模様。なぜ、力を入れているのかが、実際に注文してわかりました。それは、
客単価の向上・利益率の向上・座席回転率の向上に寄与するから
です。まとめると次のようになります。
【サンマルクカフェがデニブラン販売に力を入れる理由】
- メニュー自体甘いので飲み物が欲しくなる→客単価の向上・利益率向上
- ソフトクリームが掛かっているので、早く食べようとする→座席回転率の向上
- デニッシュパン・ソフトクリーム・キャラメルソースという既存の食材を使用→利益率の向上
1について、キャラメルソースが相当効いているので、甘いです。さらに、ソフトクリームが重なります。何杯水を飲んだのか忘れたほどです。そう言えば、注文時にドリンクの注文を聞かれました。デニブランを注文する人は、ドリンクメニューも別途注文するのが普通なのかもしれません。利益率の高いドリンクメニューの受注も期待できるので、客単価のみならず利益率の向上も期待できるのです。
2について、これは実際に食べてみるまでわからないでしょう。店内は空調が効いているとは言え、ソフトクリームはどんどん溶けていきます。カフェだからゆっくりしようなんて、考えは吹き飛ぶほどです。この結果、入店から退店までの時間が短くなり、座席回転率は向上します。サンマルクカフェは混んでいることが多いからこそ、デニブランは生まれたのかもしれません。
3について、サンマルクカフェは焼き立てパンの食べられるカフェという特徴を持ちます。だから、デニッシュパンはもともとメニューにあるのです。ソフトクリーム・キャラメルソースも、パフェなどの既存デザートメニューで使用しているはず。つまり、デニブランは、もともとある食材で調理しているのです。だから、食材の保管コスト・トレーニングコストは低くなることが考えられます。利益率の向上に寄与するのです。
開発当初は、デニブランは単に顧客ニーズに沿って生まれたのかもしれません。しかし、実際にはサンマルクの収益に貢献しているのは間違いないでしょう。好業績企業には、何気ないメニューにその秘密が隠されているのかもしれません。
☆今日のまとめ☆
サンマルクの好業績は、カフェ業態のデニブランにその秘密が隠されているのかもしれない。
デニブランは、メニューの性格上、客単価の向上・利益率の向上・座席回転率の向上に寄与するのではないか。
戦略的メニューと言えるだろう。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
- 今日のこぼれ話☆
たまたま能力の高い従業員・店員がいるから、好業績ではないのですね。
その裏には、何かしら仕組みがあるのです。