樽生ジョッキ生とLCCの共通点とは?
昨日、御影クラッセの飲食店フロアで、ジョッキ生のポスターを見つけました。ジョッキ生とは、サントリーが販売する第3のビール。家庭用商品で、スーパーや酒屋・ホームセンターなどに行けば手に入ります。
そのジョッキ生が飲食店で販売しているのは、家庭用ではなく樽生。そう、このジョッキ生は缶入りではなく、樽に入った生ビールタイプの商品なのです。
これは、第3のビールが樽生にまで進出したことになります。ただ、樽生と言えば、ビール。家庭用ビールのみならず樽生にまで第3のビールがすると、樽生ビールの売上が減ることになり、客単価の減少・樽生単価の減少を招きます。わざわざ、売上を減らすようなことを、サントリーはなぜするのか。そのことについて考えてみました。
そのヒントは、樽生ジョッキ生を販売していたお店にありました。このお店は、
ラーメン屋さん
なのです。ラーメン屋さんのビールと言えば、瓶ビール主体。居酒屋利用を見込んだお店で樽生ビールを提供するラーメン屋さんはありますが、それはごく一部です。生ビールではなく瓶ビールを販売する理由は、
ラーメン屋さんでビールを飲む人がもともと少ないから
だと思います。樽生の単価は瓶ビールよりもずっと高く、樽生一本購入すると生ビールを数十杯販売しなければなりません。樽一本販売するまで、それは在庫としてお店にのしかかります。生ビールの出数が少ないと、在庫を抱える日数が多くなるため、お店にとっては大きな負担となります。賞味期限の問題もあるでしょう。期限内に樽生を売り切らなければ、それは廃棄しなければなりません。洗浄など管理が大変なのも、樽生の大きなデメリットです。ならば、瓶ビールでいいのでは、とラーメン屋さんのオーナーなら考えることでしょう。
しかし、瓶ビールの代わりに樽生の第3のビールを提供すればどうでしょうか。単価は、瓶ビールよりも安くなるので、出数が増える可能性は高いと言えるでしょう。樽生の第3のビールを珍しく思い、何となく注文する人もいるでしょう。そして、これが一番重要なのですが、
瓶ビールが高いからラーメン屋さんでビールを飲まなかった人の潜在需要
を引き出すかもしれません。お小遣いの少ないお父さんは、樽生の第3のビールが予算内に収まれば、注文するのではないでしょうか。
恐らく、ラーメン屋さんに樽生ジョッキ生を提供するサントリーは、
これまでの瓶ビールの売上<樽生ジョッキ生の売上
を予測して、樽生ジョッキ生をお店に提案したのだと思います。
この手法、今流行りのLCC(ローコストキャリア・低価格航空会社)にとても似ています。LCCは、その価格の低さが魅力ですが、
価格を低く設定することで、これまで飛行機をその価格の高さゆえに敬遠してきた消費者の航空需要を引き出す
ことになります。ただし、通常の航空会社(例えばJALやANA)とのカニバリを避けるために、離発着する空港、タイムテーブル、座席の大きさなどで差別化が必要になるでしょう。
樽生の第3のビール・LCCの手法は、潜在需要を引き出すという点で、成熟経済ではとても有効に思えます。この手法を一般化すれば、こうなるでしょうか。
価格の高さゆえに市場が限られた商品は、その低価格版を開発・販売することで、潜在需要を引き出す。
もちろん、カニバリを最小限に抑えるために、販売ルートを分ける必要があります。
☆今日のまとめ☆
樽生の第3のビールは、これまでビール需要が少なかったラーメン屋さんで提供されることにより、潜在需要を引き出すとともに、カニバリを最小限に抑えられる。
これは、価格の低さで航空需要を引き出すLCCと同じである。
この手法は、潜在需要を引き出すという意味で、価格の高さゆえに市場が限られた商品にとっては、有効だろう。
☆今日のこぼれ話☆
先日のモノコードの記事を通じて、モノコードを提供するドゥ・ハウスの方から連絡をいただきました。
いやぁ、まさかこんな出会いがあるとは。びっくりです。
また、記事を読んでくれている人に感謝するともに、これからもためになる記事を提供しなければと、身が引き締まりました。
O様、本当にありがとうございました。
また、これからもよろしくお願いします。
☆昨日の目標→その結果☆
◎朝6時に起きる→◯
◎毎日情報を発信する→◯
◎毎日仕事以外の人に話掛ける→◯
◎腕立て・腹筋30回→◯
◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→◯
◎部屋や家の掃除をする→☓