イオンがサッポロ・みがき麦を開発した理由とは?

イオン専売品のサッポロ・みがき麦By Norisa1

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昨日(12月6日)に住吉のグルメシティに行ったところ、「みがき麦」というサッポロの第三のビールを見かけました。この商品、実はイオンの専売商品。日経新聞朝刊の一面に掲載されていたみがき麦の記事を読んでいたので、知っていました。(日経電子版申し込みはこちら

 イオンは26日、350ミリリットルで100円(税込み)の第三のビールを全国で発売する。サッポロビールが製造し、イオンの専売商品として供給。従来 のメーカー品より約1割安く、イオンが売る大手メーカー商品として最安値になる。セブン&アイ・ホールディングスがメーカー品より1割安いビールのプライ ベートブランド(PB=自主企画)商品を発売するなど、価格競争が加速する。(2012年11月22日日経新聞朝刊より)

この記事を読んで、ふと疑問が湧いて来ました。というのも、イオンはすでにPBの第三のビールを販売しているからです。そのブランドはバーリアルで、350mlの価格は88円。韓国で製造された輸入品です。だから、「100円の専売商品を販売」と聞いても、正直あまりピンと来ませんでした。消費者の節約志向が強まっているなら、大手メーカー品のユーザーがバーリアルにスイッチすることが期待できるので、わざわざ100円の専売商品を売らなくてもいいからです。

そこで、イオンがわざわざサッポロの専売商品・みがき麦を売る理由を考えてみました。

【イオンがみがき麦を販売する理由】

輸入品の格安第三のビールユーザーと国産の第三のビールユーザーは全く異なり、大手メーカーのユーザーのスイッチは考えられないから。

ビール系飲料のPBのほとんどは輸入品です。だから、イオンが消費者の節約志向に対応しようとすれば、より低コストで生産できる輸入品を販売するのが普通。にもかかわらず、輸入品よりも製造コストの高いサッポロの商品を販売するのには、何か理由があるはずです。「輸入品ではなくサッポロでなければならない」というよりは、「日本製でなければならない」理由がなければなりません。そこで、推測するのが上記の理由。

もともと、ビール系飲料は、PBを作りにくいジャンルと考えられていました。それだけブランドロイヤリティの高いカテゴリーなのです。一方、低価格志向の強い消費者が増えることにより、輸入品PBの販売量が増加しました。なにせ、大手メーカーの第三のビール350mlが120円程するのに対し、輸入品PBは88円で26%も安いから。バーリアルも発売以来、相当販売数量を伸ばしてきたのだと思います。イオンのプレスリリースによると、2010年の発売以来累積販売数量が3億6千缶を突破したようです。それだけ売れているのにもかかわらず、サッポロの低価格専売品を販売するのは、バーリアルの販売数量が頭打ちしているからではないでしょうか。来店客の一定層の需要は掴んだものの、大手メーカー品ユーザーへはなかなか売れない。その理由として、「国産ではないから」という結論に至ったのかもしれません。

ならば、国産の第三のビールの販売に力を入れればいいのですが、NB商品だと他スーパーとの価格競争に巻き込まれます。そこで、価格競争に巻き込まれない専売品の販売に踏み切ったのだと思います。では、なぜPBのトップバリュにしなかったのか。それは、トップバリュの、「メーカー名を商品パッケージに明記しない」というルールに反するからかと思います。みがき麦だけ特別扱いすれば、他のトップバリュ商品にも波及しかねず、トップバリュのブランド戦略が揺らぎかねません。また、第三のビールの大手メーカー品ユーザーにおいて、PBアレルギーがあるのかもしれません。そこまでのリスクを負うならば、サッポロブランドの専売品として販売する方がメリットは大きいと、考えたのだと思います。

そして、国産の第三のビールをより低コストで製造できるメーカーとして、サッポロが浮上したのでしょう。サッポロならば大手メーカーですし、大手メーカー品ユーザーにとっては、買わずとも馴染みのブランド。大手メーカー品ユーザーの獲得を目指すイオンにとって、「低コスト製造が可能」「ブランドの認知度が高い」という点で、サッポロが一番のターゲットになったのだと思います。

サッポロがイオンに専売品を供給する理由については、後日書きたいと思います。

☆今日のまとめ☆

第三のビールで輸入品PBを持つイオンが、サッポロ専売品を販売するのは、大手メーカー品ユーザーが輸入品PBにスイッチすることが期待できないからではないか。

それだけ、ビール系飲料では、国産・大手メーカーのブランド力は高いと言える。

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☆  今日のこぼれ話☆

みがき麦、まだ飲んでません。

今度買ってみます。

☆阪急グループ創始者 小林一三の言葉☆

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