ロッテリアのエビカツ単品販売、その理由・背景とは?

ロッテリアのエビカツ

 ※公式プレスリリースはこちら

3/6の日経新聞朝刊消費欄に、ロッテリアの記事が掲載されていました。ロッテリアというと、話題性のある商品開発や企画をする面白いお店というイメージがあります。今回の記事は、少し趣が違うようです。

 

 ロッテリア(東京・新宿)は16日、全国の全約450店で総菜の販売を始める。第1弾の商品はエビ カツ。定番商品の「エビバーガー」(290円)でパンに挟んでいるエビカツを1箱5枚入り600円で売る=写真。自宅で食事を取る中食の需要を取り込むの が狙い。子供のいる家庭などの購入を見込む。(2013年3月6日付 日経新聞朝刊)

 

まずはロッテリアの実情から調べようと思い、IR資料を調べようとしましたが、ロッテリアは非上場企業なので、決算資料は公開されていませんでした。日経のサイトでも調べてみましたが、業績に関する記事や特集もなし。ということは、マクドナルド同様、月次売上は芳しくないと思われます。

 

そんな中で行うのが、エビカツの単品販売。エビカツという商品のパーツを単品で販売するのは、需要があるからに他なりません。ただ、パーツで販売すれば、その分割安で販売せざるを得なくなり、売上金額・利益額・利益率とも減ってしまいます。そのようなリスクを負ってまでエビカツの単品販売に挑んだのは、そうまでしないと既存店売上が向上しないと踏んだからではないでしょうか。

 

ロッテリアがエビカツ単品販売で目指すのは、内食への進出。記事によると、エビカツバーガーを購入した顧客は、具のエビカツをいろんな料理に活用したそうです。

 

 2012年10月に限定販売した「エビツリーバーガー」(500円)では3~5枚のエビカツを使った。このエビカツを持ち帰り、サラダや丼、カレーなどの具材に使うという購入者が相次いだため、総菜としての販売を決めた。(同 日経新聞より)

 

単品のエビカツを一商材として販売すれば、サラダや丼・カレーなどのいろんな家庭料理の具材として利用してもらえることになり、集客数・購入頻度を高めることができます。一方、エビカツバーガーにこだわれば、エビカツバーガーをメニューとして食べたい人しか集客できず、さらに毎日食べられるメニューでもないので、集客数・購入頻度は大きくありません。この違いが、ロッテリアをエビカツの単品販売に向かわせたのでしょう。

 

また、エビカツを単品販売しても、追加の設備投資はほとんどいりません。既存メニューのパーツだからです。従業員のトレーニングも微々たるものでしょう。この導入コストの低さも、ロッテリアの背中を押した理由かと思います。

 

【ロッテリアがエビカツ単品販売するメリット・デメリット】

[メリット1]客数を増やすことができる

[メリット2]来店頻度を上げることができる

[メリット3]導入コストがほとんどかからない

[デメリット]収益が悪化する恐れがある

 

これらを天秤に掛けて、メリットの方が大きいと考え、エビカツ単品販売を始めることにしたのでしょう。その背景に、消費者の内食志向の高まりがあることを、忘れてはいけません。

 

☆    今日のまとめ☆

ロッテリアは、エビカツ単品販売によって、追加コストをほとんど掛けずに客数増・来店頻度増が期待できる。

一方で、加工度の低い商品を販売することになるので、収益悪化の恐れがある。

それでもエビカツ単品販売に踏み切ったのは、消費者の内食志向の高まりがあるからだろう。

 

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☆    今日のこぼれ話☆

エビカツは一枚あたり120円。

コンビニが影響受けるでしょうね。

 

☆経営コンサルタント 石原明さんの言葉☆

「基本的に仕事を選ぶときは、その仕事をして儲かるか、利益が上がるかということで選びますよね。どんな仕事でも必ずお客さんは集めなければいけないのですから、そのためには集客コストや販売コストがかかるわけです。同じコストをかけるのなら、利益が大きい方がいいに決まっています。」

『気絶するほど儲かる絶対法則 売れるしかけと勝てるしくみの作り方』より)

※ポッドキャストでいつもお世話になっています。この番組は本当に勉強になります。

※創業者・経営者・コンサルタントの心に残る言葉、元気になる言葉を紹介しています。

 

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