高単価レトルトカレーに感じる商機
スーパーに行くと、いつも不思議に思うことがあります。それは、
価格の高いレトルトカレーは本当に売れているのか
に関して。レトルトカレーで高いものは500円以上します。一方、安いレトルトカレーは100円未満からあるので、価格差は5倍以上。価格にこんなに大きな差がある食品は、それほど多くありません。100円以下の商品も販売されている中で、500円以上の高い商品を選ぶには、何かしら理由が必要なはず。しかしながら、400円以上も余分に支払うのに十分な理由は、なかなか見当たらないです。高単価商品が、差別化されている点として、以下を挙げることができます。
【高単価レトルトカレーの差別化要素】
[1] ブランドによる保証(有名ホテル・有名レストラン・有名シェフなど)
[2] 具材
[3] 製造方法
これらの要素があるものの、インパクトの弱さは否めません。一度買ったとしても、リピートはなかなか付きにくいと思うのです。
日経MJを調べても、高単価レトルトカレーついての記事はありませんでした。バイヤー調査の記事で掲載されているのは、すべて大手メーカー品で300円以下の商品ばかり。高単価レトルトカレーに関する言及があっていいものの、全くありません。記事からは、売れている感が全くないのです。
ネット上の口コミを調べてみましたが、こちらも低調。価格コムにレトルトカレー部門があるのですが、最新投稿がなんと2012年9月で、しかも1つのトピックしか立っていません。人気ランキグのトップ5もすべて250円以下。スーパーで売っているような高単価カレーは、25位以内にはないのです。高単価カレーは本当に売れているのでしょうか。
売れていなければ、売場にある商品の賞味期限が近くなっているはずですが、実際そうでもありません。レトルトカレーの賞味期間は、大部分が2年で一部が1年6ヶ月。古くても製造後4ヶ月ぐらいの商品があるぐらいで、ほとんどの商品は製造後1ヶ月~2ヶ月ぐらいだったかと思います。棚の商品の鮮度が高いということは、処分売り対象になっていることが考えられますが、スーパーで高単価レトルトカレーが処分売りになっていることは、あまり記憶にありません。
処分販売されないのも、理解できます。ただでさえ単価が高い商品だけに、少々値下げしても割安感は出ないので、販売数量は伸びないのです。さらに、ブランドによる差別化をしている商品の場合、ブランドが値下げを拒んでも不思議ではなりません。ブランド価値が毀損されるからです。
なら、売れ残りの高単価レトルトカレーはどこに行っているのか。その処分方法に相当困っているのではないでしょうか。さらに、値段を下げずに売ることにも苦労しているように思えます。高単価レトルトカレーは、その利便性や美味しさを考えると、潜在的ニーズの高い商材です。このミスマッチに、商機を感じます。
☆ 今日のまとめ☆
高単価レトルトカレーが、売れているのかはかなり疑問。
ただし、処分売りで売れる商材でもない。
一方で、利便性や美味しさで潜在的ニーズが高いことを考えれば、このミスマッチに商機を感じる。
マーケティング・ビジネスのヒントに関するブログも書いています
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
TwitterなどSNS上では、いなばの缶入りカレー(楽天でも売ってます)が話題ですね。
100円ほどという価格の低さと美味しさのギャップが、人気の秘密のようです。
なら、ますます高単価カレーは売れなくなりそう。
☆経営コンサルタント 石原明さんの言葉☆
「人はどんなときに夢中になるかを知るには、「人だかりには顔を突っ込む」と「行列に並ぶ」という2つの方法を採る。」
(『気絶するほど儲かる絶対法則 売れるしかけと勝てるしくみの作り方』より)
※ポッドキャストでいつもお世話になっています。この番組は本当に勉強になります。
※創業者・経営者・コンサルタントの心に残る言葉、元気になる言葉を紹介しています。