薬のネット販売はドラッグストアにとって脅威なのか?

ドラッグストアのヘアケア商品売場by courtesy of Klara

 

先日、日経新聞に業界天気図が掲載されていました。今回は、その中からドラッグストアを取り上げたいと思います。

 

ネット販売で競争激化 収益の柱である一般用医薬品(大衆薬)販売の参入障壁が低くなり、価格競争が激しくなりそうだ。粗利の高い大衆薬で稼いだ利益を日用品や化粧品の値引き原資につぎ込むドラッグストア業界の成長モデルが揺らいでいる。各社はインターネット販売への参入を急ぎ、ネット販売専業会社に対抗する。(2013年7月8日付 日経新聞朝刊)

 

日経新聞では、ネット販売をドラッグストアにとって脅威であると捉えています。しかし、実際にそうなのでしょうか。私は、全くの脅威にならないとは言いませんが、さほど大きな脅威にならないと、思うのです。

 

というのは、ドラッグストアは、利用者にとって「薬屋さん」ではないから、に他なりません。街中のドラッグストアを覗くと、その来店客の大部分は女性。そして、その女性が手に取っているのは、薬ではなくヘアケア商品や化粧品なのです。薬を探している人が皆無とは言いませんが、薬売場が人で賑わっているのは、花粉症や風邪が流行っている季節だけ。それ以外の薬売場は、ヘアケア商品・化粧品売場と比べて、閑散としています。名前にこそ「ドラッグ」と付いていますが、本質は「ヘルスアンドケア」「ビューティー」なのです。

 

さらに、実際薬が必要になる場合を考えた場合、すべてがネットに移行するとは考えにくいのではないでしょうか。というのも、薬が必要になるのは、病気になった時であり、それは一時も早く薬が必要になる時。花粉症の場合もそうでしょう。症状が出て困るから、ドラッグストアで花粉症の薬を買うのです。早く症状を治したい時に、いくら安いからと言ってネットで買って1日待つ人は、本当に稀なのではないでしょうか。

 

この二点を考える限り、ドラッグストアにとって、薬のネット通販はさほど大きな脅威にならないと思います。そればかりか、薬剤師や販売員のコンサルティング力を磨くことができれば、実店舗が大きな強みになるのではないでしょうか。

 

☆今日のまとめ☆

ドラッグストアの本質は、「ヘルスケア」「ビューティー」商品の格安販売店。

また、薬が必要な時は、一時も早く欲しいことを考えると、薬のネット販売は、ドラッグストアにとって大きな脅威にならないのではないか。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

ドラッグストアを見ていつも思うのは、集客力の凄さ。

他の小売店とは、来店客数は全く違いますね。

その秘密が、店舗に何かあるはず。

そう思って、ドラッグストアをよく観察しています。

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