コストコの日清スープヌードルが示す、カップ麺の売れ行きについて

海外のカップヌードルby courtesy of inazakira

 

先日コストコに行った際、これまで見たこともない商品を発見しました。それは、日清食品のスープヌードルです。見たこともないというのは、コストコでは見たこともないという意味で、他の食品小売店ではおなじみの商品。カップヌードルの廉価版で、100均で販売されることの多い商品です。

 

考えてみれば、これまでコストコになかったことが不思議とも言えます。コストコ取扱商品の多くは、トップメーカーまたは有名ブランドなので、日清食品の商品があっても不思議ではありません。しかし、日清食品の麺関連商品に関して、私の知っている限り、コストコでの取り扱いはありません。(ちなみに、これまでは、国産メーカーのカップ麺もなく、韓国のカップ麺だけしか販売されていません。)恐らく、値下がりによる他小売店への影響を懸念して、日清食品は卸していないのだと思います。だからこそ、今回スープヌードルを発見したことは、大きな驚きなのです。

 

そこで気になるのが、なぜ日清食品がスープヌードルのコストコ販売を解禁したのか、ということ。推測できるのは、

 

日清のカップ麺の売れ行きが芳しくなく、製造キャパが余っているのではないか

 

ということです。そこで、日清食品のIR資料を確認してみました。その中で発見したのが、次の数字です。

 

【日清食品の国内カップ麺の製造数量・金額推移】

[数量]前年比96.1%

[金額]同95.7%

※    2013年4月~6月の実績

 

日清食品のカップ麺データ

 

生産数量=販売数量と考えると、売れ行きがよくないことがわかります。ちなみに、袋麺は数量・金額とも前年を2割ほど上回り、売れ行きは好調。しかも、数量以上に金額が伸びているので、1食あたりの平均単価も上昇している模様です。袋麺と比較すると、カップ麺の売れ行きは悪いだけでなく、平均単価の下落も考えられるのです。

 

【日清食品のカップ麺の売れ行き推測】

売れない→値引き実施→平均単価の下落

単価の高い商品の販売低調・単価の低い商品の販売好調→平均単価の下落

 

上記のような平均単価の下落が推測できます。ならば、売れ行きの鈍っている比較的単価が高いカップヌードルをコストコで販売してもいいようですが、それをすればカップヌードルの市場価格が下がる恐れがあります。だからこそ、廉価版のスープヌードルのコストコ販売を解禁したのではないでしょうか。

 

冷凍パスタ人気を考えると、冷凍食品がカップ麺の市場を奪っていることも考えられます。少なくとも、カップ麺にはアベノミクス効果は全くないようです。

 

☆今日のまとめ☆

コストコで日清スープヌードルが販売されたのは、それだけカップ麺の売れ行きが芳しくないからだろう。

カップ麺市場は、冷凍食品など他カテゴリーに侵食されている恐れがある。

 

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☆    今日のこぼれ話☆

そう言えば、カップヌードルを久しぶりにチラシで見ました。

カップヌードルの価格も下がっているのではないでしょうか。

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