サンクス閉店が教えてくれた、地方のサンクスがローソンに鞍替えする理由

サンクスby courtesy of Joe Kester

 

先日の日経新聞に、地方のサンクスFCがローソンに鞍替えする記事が掲載されていました。

 

【鹿児島】コンビニエンスストア「サンクス」を鹿児島・熊本両県で運営している南九州サンクス(鹿児島市)はサークルKサンクスとのエリアフランチャイズ(地域運営)契約を20日で終了し、両県の店が21日から順次「ローソン」にくら替えすると発表した。(2013年8月14日付 日経MJ)

 

地方のサンクスが三大コンビニチェーンに鞍替えすることは、頻発しています。それだけ、チェーンの競争力に差があるということです。その競争力とは、ブランドであり、そのブランドを作る品揃え。そんな中、近くの郊外型サンクスが閉店しました。その原因は、

 

2年ほど前に目の前にローソンが出店したから

 

でしょう。2年ほどは持ったのですが、やはりローソンには勝てなかったようです。しかし、この閉店は私にとってとても不思議なものでした。というのは、

 

見かけ上、このサンクスはとても繁盛していたから

 

です。

 

このサンクスは、郊外型の典型で、駐車場のだだっ広いパターンの店舗です。配送センターや工場が集積している場所の近くに立地していることもあり、いつも多くのトラックが止まっていました。道路の往来の数により、ローソンよりも駐車しやすい立地のため、ローソンよりも駐車台数はずっと多かったのです。そう、駐車場だけを見ると、ロ^―ソンよりも流行っていたのです。

 

しかし、実際に店舗に入ると、繁盛の「は」の字もなかったという印象があります。夜の7時頃という夜ご飯時に行っても、人はパラパラ。客数ゼロという時は少なかったものの、私以外に1人か2人というのがほとんどでした。多くのトラックが止まっていることを考えると、大きな違和感がありました。そして、その理由は、欠品の多さが物語っていました。つまり、品揃えが乏しかったのです。欲しい商品・欲しくなる商品が少なかったのです。店舗の老巧化も進んでおり、楽しく買い物ができる空間とは決して言えないお店でした。

 

一方、目の前のローソンは、駐車はしにくい立地だったものの、新しい店舗ということもあり、店舗の外から見ても入りたくなるような新鮮味のあるお店でした。もちろん、品揃えは他のローソンと同じで、とても充実しています。この違いから考えると、駐車のしやすいサンクスの駐車場にトラックを止めて、ローソンで買い物をしていた人が多かったのかもしれません。

 

このサンクスとローソンとの違いをまとめると、次のようになります。

 

【近くのサンクス・ローソンの違い】

[サンクス]駐車しやすい立地・品揃えは乏しい→先発ながら閉店

[ローソン]駐車しにくい立地・品揃えは充実→後発ながら存続

 

この違いを見る限り、

 

消費者は店舗選びにおいて立地よりも品揃えを優先した

 

と考えることができます。ただ、このサンクスとローソンは、目と鼻の先にあり、駐車のしやすさは変わるものの、場所はほとんど同じ。だから、

 

消費者は店舗選びにおいて品揃えを優先している

 

と言えるかもしれません。

 

サンクスの品揃えが充実しない限り、サンクスFCの他チェーンへの鞍替えは今後も起こるように思えます。

 

☆今日のまとめ☆

立地がさほど変わらなければ、消費者は、品揃えでコンビニ店舗を選ぶのではないか。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

コンビニの品揃えと言えば、セブンの関西店舗でも金の食パンの6枚切りが発売されました。

試食したいと思います。

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