コンビニがファストフード・チェーン居酒屋の顧客を奪うシーンを目の当たりにした!
JR住吉駅にある交番前で、とある光景を目にしました。それは、学生や若手サラリーマン、主婦がたむろしているシーンです。ちょうど花壇のようなコンクリートの段があって、そこに腰を掛けることができるのですが、そこでみなさん談笑しているのです。その手にあるものは、缶ビールや缶チューハイ、清涼飲料水やお菓子・総菜など。そう、すべて目の前にあるセブン-イレブンで買ったものと思われます。
このシーンを見て、ピンと来ました。従来ならば、マクドナルドなどのファストフードや白木屋などのチェーン居酒屋で行っていたことを、コンビニ前で行っているのです。コンビニがファストフードやチェーン居酒屋の顧客を奪っている瞬間です。
上記消費者がなぜファストフードやチェーン居酒屋ではなくコンビニを使うようになったのかは、明らか。割安だからです。彼らにとって重要なことは、談笑できること。コミュニケーションを取って楽しむことが重要なのであり、そこで食べるモノが美味しいか心地良いかはそう重要ではありません。もちろん、美味しい方が、心地良い方がいいに決まっていますが、それらにあまりコストを掛けたくないのが本音でしょう。だから、コンビニを使うのです。
また、コンビニに売っているモノは多種多様であり、アルコールが飲めない人やあまりお腹が空いていない人にも選択肢がたくさんあります。いろんな人の需要に答えられるコンビニだからこそ、コミュニケーション重視の消費者に受け入れられるのかもしれません。ちなみに、ファストフードではアルコールの種類はそうありませんし、居酒屋にはソフトドリンクの種類はそうありません。
ファストフードやチェーン居酒屋は、コンビニに勝ち目はないのかというと、そうとも思えません。なんでも屋のコンビニに勝つには、何かに特化することで来店動機を高めればいいのです。「マック行く?」ではなく、「マックの○○食べに行く?」になればいいのです。そう言えば、宮崎地鶏料理に特化している塚田農場の既存店売上は、市場縮小が止まらない居酒屋市場の中で比較的好調に推移しています。
☆今日のまとめ☆
コンビニがファストフードやチェーン居酒屋の顧客を奪うのに成功したのは、多様なニーズに答えられる商品を販売するからだろう。
友人とのコミュニケーションを重視する消費者にとって、ファストフードやチェーン居酒屋は、来店動機の低い業態なのかもしれない。
逆に、何かに特化して来店動機を高めれば、コンビニから顧客を奪還できるかもしれない。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
比較的好調なAPカンパニー(塚田農場を運営)ですが、消費増税後の既存店売上はかなり渋い状態です。
また、毎月9日に前月の月次データを公表していたのに、8月は公表していません。何かあったのでしょうか。