ローソン・佐川提携からわかるモノの売れ方

JPローソン神戸

 

ローソンと佐川の提携のニュースが、日経朝刊の一面に掲載されていました。その内容は、次の二点にまとめることができます。

 

【ローソン・佐川提携の要点】

  1. 佐川配達物をローソンで受け取り可能
  2. 配達員は御用聞き営業も実施

 

1は特に珍しいものではありません。セブンが書籍販売ですでに実施しており、セブン&アイグループ全体でもオムニチャネルの拠点として、セブンを活用するという方針です。ローソンも、セブンと同じ方針を採用したということです。

 

興味深いのが2です。2は、単にモノを配達するだけではなく、販売まで行ってしまうというもの。通販商品を配達すると、購入者の属性を把握することができます。例えば、性別や年齢・家族構成など。もちろん、住所や住居形態(持ち家、一軒家、分譲マンションなど)もわかります。これらの属性により、その人のニーズをある程度予測でき、その予測ニーズに応じた商品を提案しようというのが、ローソン・佐川連合が今後行う御用聞き営業です。

 

このサービス(おせっかい?)を読んで思い出したのが、アマゾンなどで見られるレコメンド機能。購入履歴や閲覧履歴から、その人が欲しがりそうな商品をサイト上で提案するというものです。ローソン・佐川連合の御用聞き営業は、このレコメンド機能のリアル版と言えます。

 

ただ、配達する人が本当に提案営業できるかどうかは、疑問。ただでさえ、サービス業のコミュニケーション能力・接客能力が低下したと実感するのに、肉体労働の割合が高い配送業の従業員に、コミュニケーションや対人接触を要する営業ができる人はどの程度いるのでしょうか。もちろん、御用聞き営業用のトレーニングが必要となりますが、相当コスト(この場合は時間)が掛かるものと思われます。そのコストの割に、御用聞きで得られる収益の増加分は、微々たるものになる恐れがあります。提携した佐川が、どの程度本気に御用聞き営業を行うかは、疑問です。

 

逆に言えば、コスト割れの恐れがある御用聞き営業まで行わないと、モノが売れないのかもしれません。実店舗の店頭に陳列したり、サイトに掲載したりするだけでは、モノが売れない時代なのかもしれません。一方で、人による販売・営業こそ、より効果的なのかもしれません。

 

☆今日のまとめ☆

ローソン・佐川提携の興味深い特徴は、コスト割れの恐れがあるのに御用聞き営業をする点。

単にモノを陳列・掲載するだけでは売れず、人による提案こそ購入を促す力があるのかもしれない。

 

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  • 今日のこぼれ話☆

三浦綾子さんの「母」を読みました。

大半を電車の中で読んだのですが、何度も泣きそうになりました。

ありがとうございました。

 

 

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