日経MJに、ラ・パウザの人気メニューに関する記事が掲載されていました。
イタリアンレストラン「ラ・パウザ」(http://www.lapausa.jp/)は6歳以下の子供を対象に「キッズピッツァ」を一部店舗で販売したところ、予想以上の人気が集まり、4月14日から全国45店舗で扱いを始めた。(2015年4月27日付 日経MJ)
ラ・パウザはイタリア料理専門のファミレスですが、未だ利用したことがありません。ファミリーをターゲットにしているので、今後利用することもあるとは思いますが、ファミリー向けらしくキッズ向けのサービスを始めたようです。その名も、キッズピッツァ。簡単に説明すれば、子供が自分でトッピングしたピザを食べられるというサービス。コト消費の一つと見て、間違いありません。
その価格を知ってびっくりしました。なんと、税別390円。安い。ラ・パウザのグランドメニューのピザ価格は、税別490円~690円。よって、キッズピッツァは最安値の価格となります。「キッズ」と付くだけあって、大きさは小さいとは思いますが、それ以上に子供にトッピングをしてもらうとなると、手間が掛かります。恐らく、あまり儲からないメニューなのでしょう。
ここで疑問が生じます。なぜ、ラ・パウザは、儲からないメニューをわざわざ提供するのか?まず考えられるのは、
コト消費を取り入れることで、他の外食チェーン・総菜・内食と差別化するため
です。自宅でピザを焼くことはなかなかできません。宅配ピザや総菜のピザはあっても、決まったメニューを食べるだけで、自分の手でトッピングすることはできません。自分の手でトッピングができるキッズピッツァは、ラ・パウザでしか経験できないコトなのです。
次に、
低価格のサイゼリヤや品質の地場専門店は親が選びがちなので、子供の支持を得る必要があったため
という理由も考えられます。ラ・パウザのメニューを見ると、その価格の低さに驚きます。しかし、それ以上に安いのがサイゼリヤ。ワインもかなり安いので、親が支持する確率が高く、家族でスパゲティやピザを食べに行くなら、サイゼリヤとなっても、不思議ではありません。店舗数も多いので、来店ハードルもさほど高くありません。ここに、ラ・パウザはなかなか選択肢として上がってこないのです。一方、美味しさでは、全国チェーンよりも地場の専門店に軍配が上がるでしょう。この板挟みの中で、ラ・パウザは子供からの支持を受けるために、儲からないキッズピッツァを導入したのではないでしょうか。
パスタやピッツァは子供だけではなく大人にも人気メニューなので、店舗数も多く競争がかなり激しいと認識しています。その中で生き残っていくために、ラ・パウザは面倒で儲からないキッズピッツァを導入したのではないでしょうか。子供が行きたいと言えば、親はそれに従わざるをえなくなるもの。この心理・傾向をうまく活用することで、ファミリー層獲得を狙っているのです。
また、子供がピッツァ作りを体験できるサービスは、イオンモールの飲食店で見たことがあります。外食業界にも、コト消費の導入が進んでいるのではないでしょうか。ただ美味しい料理を提供するだけでは、生き残れないのかもしれません。
☆今日のまとめ☆
ラ・パウザが面倒で儲からないキッズピッツァを導入するのは、子供に支持を受けやすいコト消費に関連するサービスを導入することで、ファミリー層を獲得し、他の外食チェーン・中食・内食と差別化するためではないか。
外食企業のコト消費導入は、今後増すのではないか。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
- 今日のこぼれ話☆
ラ・パウザを運営するのは、総合外食企業のコロワイド。
牛角もコロワイド傘下なのですね。