Tポイントとポイントを合併したヤフー、その目的と直面する課題とは?

By AussieGold

 

先日、Tカードとヤフーの提携のニュースが報じられました。提携は、以下の二点にまとめられます。

 

◯ヤフーポイントはTポイントに合併する

◯TカードのネットIDはヤフーIDに合併する

 

前者はヤフーにとってポイントプログラムを捨てることであり、後者はTカードにとってネットIDを捨てることであるので、提携にあたり両社とも血を流すことになります。私が不思議に思ったのは、

 

なぜ、ポータルサイトナンバーワンのヤフーがポイントプログラムを捨てたのか?

 

ということ。Tカードはユーザー数が多いといっても、そのブランド認知度はヤフーほど高くはありません。また、Tカードにはポンタカードというライバルがいるのに対し、ヤフーはポータルサイトで圧倒的ナンバーワン。強みという点では、ヤフーがTカードを上回っているのです。そのヤフーが、なぜ自社のポイントプログラムを捨ててまで、Tカードと提携したのか?その理由を考えてみました。

 

その理由は、

 

ネットサービスだけでは、これ以上ユーザー数を増やすことができないから

 

ではないでしょうか。

 

ヤフーはポータルサイトナンバーワンでありますが、他社よりも集客力のあるサービスはそれほど多くはありません。私自身、ヤフーのサービスの中で日常的に利用しているのは、

 

ヤフー検索

ヤフーオークション

ヤフーニュース

ヤフーファイナンス

 

だけです。ポータルサイトのヤフーにアクセスしても、この4つのサービスを利用するぐらいです。ヤフーは他にもサービスを展開していますが、競合サービスの後塵を拝しています。

 

これまでは、ネットサービスを刷新することで、サービス利用者を増やそうとしてきましたが、競合に負けているという現実を見ると、この方法が成功したとは言えません。つまり、

 

ネットサービスの刷新によって、ユーザー数を拡大することはとても難しい

 

という課題に直面していることになります。この課題の解決策として、Tカードとの全面提携という方法が採用されたのだと思います。Tポイントとポイント合併することにより、

 

これまでヤフーのサービスをあまり利用していなかったTカードユーザーを獲得することができるから

 

です。これは、

 

新規ユーザー=新規顧客の獲得

 

になります。

 

しかし、ポイントをTポイントに統合することで、ヤフーのサービス利用者が増えるとは限りません。利用者を増やすためには、ヤフーのサービスが魅力的でなければならないのですが、現状そうとは言えないからです。

 

実は、現在でもヤフーショッピングでTポイントを利用(ポイントを貯める、ポイントを使う)することができます。ヤフーポイントも存在するので、Tポイントを利用するためには、ヤフーショッピングでTポイントを選択しなければなりませんが、数回クリックするだけで選択できます。だから、今でも、

 

Tカードユーザーをヤフーショッピングへ誘導する→ヤフーショッピングの新規顧客を獲得する

 

ことは可能なのです。しかし、これがうまくいっていないから、ポイント統合に至ったのだと思います。うまくいかなかった理由は、

 

ヤフーショッピングの品揃え・価格が楽天市場に劣っているから

 

ではないでしょうか。ということは、現状のヤフーショッピングのままでは、Tポイントに統合しても、ヤフーショッピングのユーザー数はそれほど増えないことになります。

 

これは、ヤフーショッピングだけのことではありません。先程も述べた通り、ヤフーのサービスで競合よりも優れているサービスは、それほど多くありません。ということは、現状のサービス内容のままTポイントに統合しても、ユーザー数はそれほど増えない恐れがあります。ヤフーの課題は、窓口を広げて新規顧客を増やすというよりも、

 

サービス内容をより魅力的にする

 

ことのように思えます。

 

ただし、

 

スマホアプリの素早いリリース

アスクルとの提携

ヤフーファイナンスでの株価のリアルタイム表示

 

など、サービスを刷新する動きがあるのも事実。また、Tポイントとの統合により、ヤフーロコを使ったTポイント加盟店への送客ビジネスが容易にスタートできます。もちろん、Tカードによる購入履歴を活用すれば、ネット上のターゲット広告の効果をより高められることは、言うまでもありません。もしかしたら、Tカードとの全面提携によって、

 

◯競争力の低いネットサービスからの撤退

◯実店舗を紹介するローカル広告ビジネスの本格参入

 

が起こるかもしれません。

 

☆     今日のまとめ☆

ヤフーは、新規顧客獲得のためにTポイントとポイントサービスを統合したのだろう。

しかし、ユーザー数拡大のためには、サービス内容をより魅力的にする必要があるのではないか。

それにしても、増収増益の間に事業構造改革が出来るという点は、ヤフーのすごいところ。

 

 

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☆     今日のこぼれ話☆

個人的には、ヤフーポイントがTポイントに統合されるのは大賛成です。

実は、ヤフーの有料会員のために、ヤフーポイントが溜まっているのですが、使い道がなくて困っているのです。

こういう人って、多いように思えます。

 

☆昨日の目標→その結果☆

◎朝6時に起きる→◯

◎毎日情報を発信する→◯

◎毎日仕事以外の人に話掛ける→◯

◎腕立て・腹筋30回→◯

◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→◯

◎部屋や家の掃除をする→☓

◎営業日誌を付ける→☓

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