神戸・大倉山のカレー屋が閉店したのはなぜか?
By roolrool
※こちらの画像は記事中のカレー屋さんとは全く関係がありません。
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先日、神戸・大倉山駅近くのカレー屋さんの前を歩いていると、とあるポスターに気づきました。それは、閉店のお知らせ。こちらのお店、今年2月にオープンしたばかりの比較的新しいお店なのですが、案の定上手く行かなかったようです。「案の定」という表現を用いたのは、よく前を通るのですが、その際に店内を覗いたところ、お客さんで混んでいる時がほとんどなかったからです。どちらかというと、ノーゲス(お客さんゼロ)状態の方が多かったかと思います。集客がうまくいかなかったことが、閉店の直接の要因かと思います。
そこで、集客がうまくいかなかった原因を、私なりに考えてみました。
【大倉山のカレー屋さんにお客さんが集まらなかった原因】
[1] 店前からどんなカレーかがわかりにくかったから。
[2] 料金が少し高かったから。
[3] 店の存在自体を知らなかったから。
[4] 行きにくいから。
[5] お店が魅力的ではないから。
1に関して、お店の前をよく通っていたのですが、お店の特徴が今ひとつわかりにくかったという印象があります。インド人のようなオーナーの顔写真が大きく看板に印刷されているので、「本格インドカレーのお店」というのだけはわかりました。食べログのクチコミを見ると、実は、バングラデシュのカレーを提供していたようです。
2に関して、「本格インドカレー」のお店の感じなので、価格は決して安くありません。実際は、600円で大皿のカレーを食べることができるので、割安なのですが、「本格インドカレー=安くない」というイメージを持つ人ならば、店頭のメニューを見ずして、スルーしていたかもしれません。メニューを見ても、大きさがわからなければ、入店を諦めた人も多かったでしょう。
3に関して、大倉山という住宅街に位置しているために、神戸駅近くで働いている人でも、知らない人が多かったことでしょう。立地は、どちらかというと悪い方かと思います。
4に関して、このお店は複数車線の道路に面していますが、駐車場がありません。よって、自動車に乗っている人の選択肢からは外れます。さらに、店内は完全禁煙だそうです。カレーとタバコは結びつかないようですが、少なくとも喫煙者の来店動機を損なうことは、間違いありません。
5に関しては、私自身利用したことのないお店なので、何とも言えないですが、お店の前を通る限りにおいて、特に行きたいと感じることはありませんでした。カレーの特徴も今ひとつわからなかったですし、見込み客の背中を押すクーポンの発行もなかったかと思います。興味がわかなければ、通りすぎてもお店の変化に気づかないものです。
これらの原因に対して、もう遅いですが私なりに対応策を考えてみました。
【大倉山のカレー屋さんへの集客を促す方法】
[1] 一番オススメのカレーを店頭の看板で詳しく説明する
[2] 期間限定のクーポンを発行、ランチセットを500円で提供
[3] 駅前や文化ホール・体育館前でチラシを配布、周辺企業へ営業する(チラシの手渡し)
[4] 宅配する、持ち帰り専門カウンターを作る
[5] 店内をバングラディシュ風にする、外国人が感じた日々の日本での不思議を店頭・ネットで発信する、バングラディシュカレー講座を行う、夜はカレー居酒屋として営業する
今回の閉店に関して、飲食店に限らず店舗商売では、集客がいかに重要かを改めて認識しました。お客さんがお店に来て、初めて評価されるわけです。来なければ、いくら美味しい料理・素晴らしいサービスをしても、売上にはつながりません。集客できてこそ、スタートラインに立てるのかもしれません。そういう意味では、来店ハードルを上げるべく、情報発信・価格政策・メニューや店内雰囲気を工夫しなければなりません。
こちらのお店、おそらくオーナー一人で切り盛りされていたのかと思います。さらに、外国人なので、頼れる友人も限られていたのでしょう。外から店舗デザインを見る限り、決してプロが作ったような感じはしなかったので、飲食ビジネスの素人が試行錯誤して作ったお店なのでしょう。プロの知恵があれば、少なくとも今年は持っていたかと思います。
☆今日のまとめ☆
飲食店に限らず店舗商売は、集客できてこそスタートに立てる。
だから、来店ハードルを下げる工夫が必要になる。
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☆ 今日のこぼれ話☆
今回取り上げたカレー屋さんは、居抜き物件にオープンしたのですが、そうは言っても、お店を始めるのにはそれなりのお金が掛かります。
これが私だったらと考えると、本当に背筋が凍りますね。
何だか人ごとには思えません。
☆ソニー共同創業者 盛田昭夫の言葉☆
「自分を開発し、発展していくためには、他人と同じ考え、同じ行動をしてはならない。 」(『経営者100の言葉』より)
※創業者・経営者・商売人の心に残る言葉、元気になる言葉を紹介しています。