酒屋のグランマルシェで冷凍ピザがバカ売れする理由とは?
昨日、ビール、もとい第三のビールを購入するために、サンシャインワーフ神戸のグランマルシェに行きました。グランマルシェは、阪神間に店舗を展開する酒屋です。ただ、お酒だけを販売しているのではなく、酒の肴になるお菓子やチーズ、パスタなどイタリア食材も販売しています。最近は、店舗でパンを焼くなど、食品販売に力を入れている様子です。
そのグランマルシェで、冷凍ピザの試食を行なっていました。食品を販売する小売店で行われる試食販売は、よくある光景。スーパーだけでなく、最近カルディでも積極的に試食・試飲を行なっています。だから、グランマルシェの試食販売も、特に目新しい点はないのですが、スーパーとは少し様子が違うのです。それは、
来店客の多くが積極的に試食を行なっている
からです。
スーパー、特に大型スーパーやGMSでも試食販売は行われていますが、販売員の方が可哀相に思われるほど、試食されていません。どちらかというと、試食の場所を避けて通っている人が多いほど。それだけ、試食は敬遠されているのです。恐らく、食べたら買わないといけない、というイメージなのでしょう。一方、グランマルシェの試食では、皆さん積極的に試食を行なっているのです。しかも、試食後に購入する人が多く見られました。この差はどこから生まれるのか。少し考えてみました。
【スーパーとグランマルシェとの試食販売の差】
[スーパー]日常の買い出し目的→節約志向が強い
[グランマルシェ]美味しい物発掘目的→品質志向が強い
スーパーの利用動機の多くは、必要な食料品の補充です。だから、予め購入する品目が決められていることが多くなります。(実際にどのブランド・商品を買うかは、その場で決めることが多いと思いますが。)必要な物をできるだけ安く買おうという心理が働きます。逆に、無駄な物は買わないでおこうと思うわけです。そういう心理で試食販売に遭遇しても、特別気になる商品でない限り、避けようと思います。試食すれば、欲しいという誘惑が生まれるからです。スーパーとは、財布の紐が固く、節約志向が強まる業態なのです。
一方、グランマルシェを利用する人の多くは、必要な物(特に酒類)の補充はありますが、それと同等、いやそれ以上に何か面白い物・美味しい物はないか、という良品発掘目的を持っているのではないでしょうか。そういう目的の人にとって、試食は願ってもないチャンス。試食することで、新しい商品に出会えるからです。さらに、未知の商品購入による失敗を、避けることもできます。だから、積極的に試食し、納得すれば笑顔で購入することになります。
この違いを一言で言えば、消費者の財布の違いであり、小売業態への期待の違いでもあります。だから、同じ冷凍ピザをスーパーで試食販売しても、グランマルシェほどの反響はなかったでしょうし、大きな販売にもつながらなかったと思われます。
ただし、グランマルシェで冷凍ピザがバカ売れしたのは、販売する小売業態だけでなく、その価格設定にもあることは間違いありません。期間限定で、通常価格より大きく割引されていました。だからこそ、試食したその場で冷凍ピザをかごに入れる人が多かったのでしょう。業態に期待される値頃感の強弱こそあれ、販売数量を大きく増やすためには、お買い得感は必須のように感じました。
☆今日のまとめ☆
グランマルシェで冷凍ピザの試食を積極的にしている人が多かったのは、良品発掘目的で来店していたからではないか。
一方、スーパーは、節約志向の高まりやすい小売業態なので、試食販売は避けられる傾向にある。
この違いは、財布の違いであり、小売業態への期待の違いである。
マーケティング・ビジネスのヒントに関するブログも書いています
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
もう一つグランマルシェで感じたのは、ワイン価格が高くなったということ。
ユーロ高の影響でしょうか。
もしくは、単なる感覚によるものかもしれません。
☆ 最近買った商品☆
先日、念願(?)の電子辞書を購入しました。
今使っているキヤノンの電子辞書は、確か2005年あたりに買ったもの。
急遽中国に行くことになったので、数少ない中国語強化モデルを買いました。
買い換えたのは、今では英語中心になったということと、バックライトのない液晶が見難いから。
それにしても、電子辞書は一世代前のものを買えば、かなり安く買えるのですね。
びっくりしました。